「怪物はこのままでいい」井上尚弥はSバンタムが限界? 米トレーナーがさらなる階級上げに提唱「難しくなる」
井上の階級上げを求める声が強まるなかで、それに苦言を呈する識者もいる。(C)Getty Images
去る7月25日に東京・有明アリーナで行われたボクシングの世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、井上尚弥(大橋)は、2団体統一王者のスティーブン・フルトン(米国)を圧倒。8回TKO勝ちという衝撃的なパフォーマンスを披露した。
【動画】リングサイドから見た衝撃の光景 井上尚弥がフルトンを打ちのめした決定的シーンをチェック
「イノウエは異常だ」
試合直後から周囲からは“モンスター”に対する期待が膨らんだ。そのなかには、日本人史上2人目となる4階級制覇をやってのけた井上のさらなる階級上げを進言する声も噴出。一部の識者やファンの中には、現WBA世界ライト級レギュラー王者のガーボンタ・デービス(米国)との対戦を訴える者も現れたほどだった。
一方で井上の適正階級が、あくまでスーパーバンタムであると訴える識者も少なくない。ニューヨークに拠点を構える米ボクシングトレーナーのアンドレ・ロジエ氏もその一人で、米メディア『Boxing Scene』で「イノウエにとって今の階級はまさに最適だ」と断言している。
日ごろから数多の選手たちを指導し、階級制スポーツの何たるかを熟知するロジエ氏は、「もしもイノウエが126(フェザー級)とかにいくのであれば、相手は彼にとって少し大きすぎるだろうね。難しくなるはずだ」と指摘。やはりスーパーバンタムが限界であるという見解を示している。
さらに井上が契約する米興行大手『Top Rank』のボブ・アラムCEOが「密かに画策しているのではないか」(『Boxing Scene』より)とされる元世界3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との対戦もロジエ氏は「当然、厳しいと言わざるを得ない」と断じている。
「ローマはイノウエには大きすぎる。パンチ力、スピード、視野、すべてにおいて上回ることになるからね。いいじゃないか。怪物はこのまま怪物のままで」
もっとも、井上自身も無謀な階級上げには懐疑的な意見を示してきた一人だ。アラン・ディパエン(タイ)とのバンタム級2団体統一戦を終えたばかりの21年12月には、「『敵がいないから上げろ』ってみんな言いますけど、階級をひとつ上げるのはそう簡単なものじゃない。それで自分のパフォーマンスが潰されるなら上げることはしない」と持論を展開していた。
おそらく今後も階級上げを求める声は続く。そうしたなかで、井上がいかなる決断を下していくのかは大いに興味深いところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
Copyright © CoCoKARAnext All Rights Reserved.
「井上尚弥」をもっと詳しく
BIGLOBE旅行 都道府県民限定プランのご紹介♪
「井上尚弥」のニュース
-
ネリ戦のダウンは「むしろ評価を高めた」 パッキャオを知る元世界王者が井上尚弥の衝撃挽回を再び絶賛「普通ではない」5月13日6時0分
-
井上尚弥&大谷翔平の“夢の競演プラン”をぶち上げ 米元世界王者が訴え「オオタニが興行を宣伝したらスタジアムも埋まる」5月12日17時30分
-
「イノウエとの対戦につながる可能性も」Sフライ級のロドリゲスとエストラーダの勝者が将来、井上尚弥と対戦!? 米メディア、大物プロモーターが示唆5月12日16時9分
-
若林正恭、井上尚弥VSネリ戦のチケットを後輩芸人のもらうのを躊躇した理由明かす5月12日14時49分
-
ロバート山本「初めてバレた」井上尚弥-ネリ戦に映り込んだ理由「僕が抜けたら東日本のボクシングが...」5月12日13時35分
-
和田アキ子 井上尚弥ファイトマネー10億円超に「ちょっと安いんじゃないか...」水原スキャンダル影響指摘5月12日13時11分
-
井上尚弥のネリ戦でリング上にいた「ロバート」山本博は何をしていた?「やっと気づかれたんだって感じ」5月12日12時34分
-
「強く反対する」井上尚弥のフェザー転級に米名伯楽が反発。“安易な階級上げ論”を危惧「ファンを喜ばせるのは難しい」5月12日12時17分
-
元世界3階級王者がネリ戦の井上尚弥の凄さを解説 驚いたという「めちゃくちゃ凄い技術」とは?5月12日11時31分
-
“パンチの質”にも言及! 井上尚弥のリング誌PFP1位に英記者が異論「クロフォードはイノウエのように打ち込まれる危険もない」5月12日11時0分