「県内外でイジられる...」とボヤく群馬出身記者に、地元の「イイとこ」を聞いてみた
「グンマー帝国」などと呼ばれ、なにかとネタにされる群馬県。今や漫画でも、「お前はまだグンマを知らない」(新潮社)という作品があるほど、群馬県を巡っては様々に動きがある。
ただ、東京出身の筆者からすると、こうも群馬県だけがやり玉に挙げられるのがなぜなのか、正直なところいまいち判然としていないところもある。そんなある日、Jタウンネット編集部に群馬県出身の記者が配属された。これ幸いとばかりに、群馬県がなぜこうもいじられるのか、そしてどういった「群馬県あるある」があるのかを聞いてみることにした。
県内でも県外でも、ふるさとをディスられ...
群馬県西部出身の20代後半の男性記者に、そもそもなぜこうも群馬県がイジられるのかを2018年6月18日に尋ねると、キーボードをたたいて、
「こういうネタ画像がいろいろ出回っているんですよ」
とパソコンの画面を見せてくれた。
アフリカ系の外国人がたくさんいる写真や、砂漠のような場所の写真に、「グンマ」の文字があしらわれている。彼によればネット上でこうした画像が出回り、いじられ始めたのではないかとのことだ。
「私が上京してからしばらくしてからいじられはじめました。だいたい5〜6年前くらいからですかね」
また、北関東内という分母でみると、群馬県を巡っては「栃木との領土争い、みたいな話もネット上でいじられていたりします」という。
他にも、
「『お前はまだグンマを知らない』は、自虐的に群馬のPRをするような内容になっているんです。他にも埼玉県をテーマにした『翔(と)んで埼玉』もあって、埼玉県のことを自虐しているんです。作品内では茨城県も貶められていますね」
と饒舌に語り、「もしかしたら北関東には自虐の文化があるのかもしれません」と分析した。
「あと僕、群馬県内でも、群馬県外でもいじられ続けていたんです」
彼が某村の中学校から、某市の高校に進学すると、同級生から「村には水道があるのか」などといじられてたのだという。
「群馬県内でもヒエラルキーがありましたね。群馬県から出たら出たで、今度は群馬県がいじられている、という流れですね」
なんとも気の毒な人生だと同情していると、「でも、群馬県には群馬県ならではの有名なものも存在するんですよ」と語り始めた。
上毛かるた、ヤマダ電機、セーブオン...
「群馬県には『上毛かるた』があって、群馬県のいいところなどを織り込んだものなんです。おそらく群馬県人であれば大体言えますね」
県公式サイトなどで調べてみると、上毛かるたは1947年12月に誕生と、かなりの歴史がある。戦後の荒んだ空気の中で、のちに群馬文化協会(すでに解散)の初代理事長となる浦野匡彦氏が、
「このように暗く、すさんだ世の中で育つ子どもたちに何か与えたい。明るく楽しく、そして希望のもてるものはないか」
と生み出し、いまでは全国の書店でも買えるそうだ。
「ただ、こんな長く親しまれている理由はわからないですね。上毛かるたを知っている人からは、『群馬県民なら言えるだろ!』みたいにネタにされることがしばしばです」
「あと、群馬県にはご当地のコンビニ『セーブオン』があります。一時期セブン‐イレブンが進出してきたんですが、依然として生き残っていますね。群馬のお土産などがあった記憶がありますね」
「セーブオン」はワークマンやカインズといった販売店を擁するベイシアグループ系列の会社の1つ。2017年にはローソンとメガフランチャイズ契約を結び、順次ブランド転換が進められているが、18年6月現在で163の店舗を群馬県のみで展開している。
他にも、Jタウンネットでも伝えた「全国告白方言」の群馬バージョンである「おめえのことが好きなんさぁ付き合ってくんね?」について、「非常に的を得ていると思いますね。あの雑な感じが群馬っぽいです」と共感している様子だった。
「あと、ヤマダ電機の本社があったり、草津、伊香保など温泉が多いのも有名かもしれませんね」
草津温泉については、「『長野にあるのでは』『新潟にあるのでは』と言われたこともありました」と懐古していた。
......実を言うと、筆者は大学生時代、「草津温泉」が滋賀県の草津市にあるものとばかり思い込んでおり、滋賀県のJR草津駅で「温泉がない」と落胆して帰った経験を持っている。大変に間抜けではあるのだが、有名な草津温泉でさえ「群馬県」のイメージを持たない人も一部にはいる、ということになる(私だけだろうか)。そう彼に伝えると、優しい笑顔をこちらに向けてくれた。
最後に、ここまで有名なものがありながら「グンマー」などといじられていることについて聞いてみた。
「正直、複雑ですよね。これだけいじられてしまうのは......。『素通りする県』と言われることも少なくありません。ぜひ、立ち寄って頂けたらと思いますね」
Copyright(C) 2006-2018 株式会社ジェイ・キャスト
「記者」をもっと詳しく
「記者」のニュース
-
【隠しマイク】DeNA・戸柱 記者に「忙しい?」と聞かれ「全然、忙しくないです!」5月26日5時29分
-
巨人・岡本が得点圏20打席安打なし きっかけつかむために「いろいろ試しながらやっています」…担当記者が見た5月26日5時5分
-
37歳記者もダマされかけた「偽警察からの電話」その手口をリポート 各地で被害、2億円超詐取も5月25日10時0分
-
メッツ・千賀滉大 上腕三頭筋の炎症が判明して35日間の休養も指揮官は軽症強調「ただの炎症」5月25日7時39分
-
中大・白川陽大、1部ハーフで3位も「1位をとれなかったことが反省」…担当記者が選ぶ関東インカレMIP5月24日6時10分
-
東洋大・石田洸介の魂の走りに心を揺さぶられた…担当記者が選ぶ関東インカレMIP5月24日6時5分
-
【日本ダービー】3歳無敗馬Vへ好データ 鹿毛が24頭で断トツ 東京・芝2400メートルは国枝厩舎トップ17勝5月24日6時0分
-
教育現場からみるフランスと日本の違いとは?『フランス人記者、日本の学校に驚く』発売(5/25)。5月23日16時46分
-
真美子夫人にとっても嬉しい物件? 大谷翔平の12億円超えの高級邸宅購入に米記者が指摘「十分すぎるほどに充実している」5月23日12時30分
-
正義感、友情、下心…揺れ動く週刊誌記者・稲垣吾郎 『あんのこと』入江悠監督「独特の居心地の悪さを絶妙に体現してくれました」5月23日11時0分