「県内外でイジられる...」とボヤく群馬出身記者に、地元の「イイとこ」を聞いてみた

2018年6月21日(木)6時0分 Jタウンネット

「グンマー帝国」などと呼ばれ、なにかとネタにされる群馬県。今や漫画でも、「お前はまだグンマを知らない」(新潮社)という作品があるほど、群馬県を巡っては様々に動きがある。


ただ、東京出身の筆者からすると、こうも群馬県だけがやり玉に挙げられるのがなぜなのか、正直なところいまいち判然としていないところもある。そんなある日、Jタウンネット編集部に群馬県出身の記者が配属された。これ幸いとばかりに、群馬県がなぜこうもいじられるのか、そしてどういった「群馬県あるある」があるのかを聞いてみることにした。


県内でも県外でも、ふるさとをディスられ...


群馬県西部出身の20代後半の男性記者に、そもそもなぜこうも群馬県がイジられるのかを2018年6月18日に尋ねると、キーボードをたたいて、


「こういうネタ画像がいろいろ出回っているんですよ」

とパソコンの画面を見せてくれた。


アフリカ系の外国人がたくさんいる写真や、砂漠のような場所の写真に、「グンマ」の文字があしらわれている。彼によればネット上でこうした画像が出回り、いじられ始めたのではないかとのことだ。


「私が上京してからしばらくしてからいじられはじめました。だいたい5〜6年前くらいからですかね」

また、北関東内という分母でみると、群馬県を巡っては「栃木との領土争い、みたいな話もネット上でいじられていたりします」という。


他にも、


「『お前はまだグンマを知らない』は、自虐的に群馬のPRをするような内容になっているんです。他にも埼玉県をテーマにした『翔(と)んで埼玉』もあって、埼玉県のことを自虐しているんです。作品内では茨城県も貶められていますね」

と饒舌に語り、「もしかしたら北関東には自虐の文化があるのかもしれません」と分析した。


「あと僕、群馬県内でも、群馬県外でもいじられ続けていたんです」

彼が某村の中学校から、某市の高校に進学すると、同級生から「村には水道があるのか」などといじられてたのだという。


「群馬県内でもヒエラルキーがありましたね。群馬県から出たら出たで、今度は群馬県がいじられている、という流れですね」

なんとも気の毒な人生だと同情していると、「でも、群馬県には群馬県ならではの有名なものも存在するんですよ」と語り始めた。


上毛かるた、ヤマダ電機、セーブオン...


「群馬県には『上毛かるた』があって、群馬県のいいところなどを織り込んだものなんです。おそらく群馬県人であれば大体言えますね」

県公式サイトなどで調べてみると、上毛かるたは1947年12月に誕生と、かなりの歴史がある。戦後の荒んだ空気の中で、のちに群馬文化協会(すでに解散)の初代理事長となる浦野匡彦氏が、


「このように暗く、すさんだ世の中で育つ子どもたちに何か与えたい。明るく楽しく、そして希望のもてるものはないか」

と生み出し、いまでは全国の書店でも買えるそうだ。


「ただ、こんな長く親しまれている理由はわからないですね。上毛かるたを知っている人からは、『群馬県民なら言えるだろ!』みたいにネタにされることがしばしばです」

「あと、群馬県にはご当地のコンビニ『セーブオン』があります。一時期セブン‐イレブンが進出してきたんですが、依然として生き残っていますね。群馬のお土産などがあった記憶がありますね」

「セーブオン」はワークマンやカインズといった販売店を擁するベイシアグループ系列の会社の1つ。2017年にはローソンとメガフランチャイズ契約を結び、順次ブランド転換が進められているが、18年6月現在で163の店舗を群馬県のみで展開している。


他にも、Jタウンネットでも伝えた「全国告白方言」の群馬バージョンである「おめえのことが好きなんさぁ付き合ってくんね?」について、「非常に的を得ていると思いますね。あの雑な感じが群馬っぽいです」と共感している様子だった。


「あと、ヤマダ電機の本社があったり、草津、伊香保など温泉が多いのも有名かもしれませんね」

草津温泉については、「『長野にあるのでは』『新潟にあるのでは』と言われたこともありました」と懐古していた。


......実を言うと、筆者は大学生時代、「草津温泉」が滋賀県の草津市にあるものとばかり思い込んでおり、滋賀県のJR草津駅で「温泉がない」と落胆して帰った経験を持っている。大変に間抜けではあるのだが、有名な草津温泉でさえ「群馬県」のイメージを持たない人も一部にはいる、ということになる(私だけだろうか)。そう彼に伝えると、優しい笑顔をこちらに向けてくれた。


最後に、ここまで有名なものがありながら「グンマー」などといじられていることについて聞いてみた。


「正直、複雑ですよね。これだけいじられてしまうのは......。『素通りする県』と言われることも少なくありません。ぜひ、立ち寄って頂けたらと思いますね」

Jタウンネット

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