仙台内定の神村学園”主将“西丸、初ゴールも悔しい敗退 優勝候補の重圧には「厳しい目で見られるのは当然」

2024年1月4日(木)22時24分 サッカーキング

神村学園FW西丸道人 [写真]=佐藤博之

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 第102回全国高校サッカー選手権大会・準々決勝が4日に行われ、神村学園(鹿児島)は近江(滋賀)に3−4で敗れ、ベスト8敗退に終わった。試合後、神村学園のFW西丸道人がメディア取材に応じた。

 神村学園のキャプテンとしてチームを牽引し、厳しい鹿児島県予選を勝ち抜いて選手権出場へ導いた西丸。しかし、今大会では2回戦の松本国際(長野)戦、3回戦の神戸弘陵(兵庫)戦でゴールが生まれず、「焦りを感じていた」という。

 そんな中で迎えた準々決勝、0−1とビハインドを追う展開で同点弾を奪ったのは、頼れるキャプテンだった。西丸はペナルティエリア手前でフィジカルを活かして相手を抑えると、右サイドへ展開。有馬康汰がボールを受けると、西丸は見事なコース取りで相手DFの前へ走り込み、クロスを頭で合わせて、ゴールネットを揺らした。得点場面を西丸はこう振り返る。

「康汰が顔を上げた瞬間にスペースがあったので、動き直して入ったら、良いボール来たので、もう当てるだけでした。嬉しい気持ちもありましたけど、同点ゴールだったので、この勢いのまま2点、3点いこうという方が強かったです」

 その後、神村学園は吉永夢希が逆転ゴールを決め、前半のうちにリードを奪って折り返す。しかし、後半は近江の攻撃に手を焼いた。神村学園の弱点である右サイドの守備を突かれ、リズムをつかめない。西丸も攻撃の起点を作ろうと、前線に残っていたが、良い形でボールが入らず、チームを助けることはできなかった。

「パスが自分のところに来たら、フィジカル的な部分で相手を圧倒出来ていた面があったので、(下がるのは)抑えて、相手と1対1になったらいけるんじゃないかという自信があったので、前線に残る判断となりました。ただ、もう少し相手のアンカーを消せていれば、後ろも楽になったと思うので、そこの判断が間違った部分もまだまだ課題だと思います」

 53分に同点に追いつかれたあと、すぐさま55分に名和田我空の直接フリーキックで一時勝ち越しには成功したものの、神村学園は試合を落ち着けることはできなかった。西丸も悔しさを滲ませる。

「相手の攻撃に対応できない時間が続いているときに、もっと3年生が引っ張ったり、プレーで体現できれば、チームがなにか変わったんじゃないかなと思います。そういう時間帯を凌げなかったり、チームを変えられなかったことは、申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 そして、後半アディショナルタイムに痛恨の逆転弾を献上。前回大会で準決勝で敗れた神村学園は「国立で勝つ」ことを目標に今大会に臨んだが、国立の一つ手前、準々決勝での敗退が決定した。高校最後の大会を終えた西丸は、いまの率直な気持ちをこう明かす。

「勝たせてあげられなかったですし、昨年負けてから1年間の目標となるステージまでたどり着くことができなかったということが、自分の力不足と不甲斐なさで、悔しい気持ちでいっぱいです」

 神村学園は大会前から優勝候補に挙げられ、注目度も高かった。周囲からの期待、重圧の大きさは間違いなくあったはずだ。しかし、西丸は最後まで言い訳はしなかった。

「自分たちはプロに内定していますし、アンダーの代表選手もいるので、厳しい目で見られるのは当然だと思っていますし、それに応えていかないといけないという気持ちの方が強かったです。だからこそ、自分たち3人(U−17日本代表MF名和田、ヘンク/ベルギー内定の同代表MF吉永、ベガルタ仙台内定FW西丸)がもっともっとゴールに、守備に、絡んでいって、チームを助けないといけなかったです。特に(3年生の)自分と夢希のチームの引っ張り方が足りなかったんじゃないかなと思います」

 誇り高き“キャプテン”西丸は、最後まで自分に矢印を向け、チームのために戦っていた。この悔しさは必ず今後のプロキャリアに生きてくるはず。ベガルタ仙台でのさらなる飛躍に期待したい。

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