レッドブルF1の2024年型マシンは半年前に誕生。チームはすでに2025年の開発にターゲットを移す

2024年1月10日(水)12時15分 AUTOSPORT web

 新シーズン開幕の前に各チームが2024年のマシンを発表し、バーレーンでテストを行うまでまだ1カ月あるが、すでにレッドブルの技術的焦点は2025年シーズンに向けられている。


 2023年シーズン、レッドブルのRB19はライバルたちを抑えて圧倒的に優位な立場に立ったので、優勝、タイトル獲得、記録更新を続けるために既存のマシンを改善するという点では、やるべきことがあまり残っていないのではと想像する向きもあるだろう。グラウンドエフェクトダイナミクスが再導入されて以来、過去2シーズンでチームは44戦中38勝を挙げており、エイドリアン・ニューウェイの技術デザインが、ドライバーのマックス・フェルスタッペンにとって完璧なパッケージであることが証明されている。


 しかしシーズンの初めにアストンマーティンが驚くべきパフォーマンス向上を果たし、夏から秋にはマクラーレンがさらに印象強い復活を遂げた。このことは、F1は決して長い間同じ状況に留まることがないという教訓だろう。そしてレッドブルは、その疑いの余地のない強さにもかかわらず、現在のマシンには限界もあることを認識しており、そのことが昨シーズンにシンガポールで唯一勝利できずに敗北した原因だと考えている。


「RB19にはかなりの限界があることを認識していた」とレッドブルのパフォーマンスエンジニアリング責任者を務めるベン・ウォーターハウスは、『Racecar Engineering』の最近のインタビューで語った。


「シンガポールを振り返ってみると、間違いなく弱点があった」


「それと同時に(RB19には)明確な強みがあった。その強みを発展させながら、同時に弱点に対処したいと考えている」

2023年F1第16戦シンガポールGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 またウォーターハウスは「高速パフォーマンスでも低速パフォーマンスでも、改善を望んでいる領域がある」と説明し、フェルスタッペンとテクニカルディレクターのピエール・ワシェがチームの新車への目標について以前語っていたことに同意した。


「RB19の開発プロセス中におけるかなり前の段階で、RB20に向けた明確な目標を設定した。全体的に、そのほとんどを実現できた」


「誰もが満足しているとは言わない。RB19を改善するためにまだやるべきことがある」


 レッドブルは2023年のチャンピオンシップを支配したことで、既存のマシンの開発を昨年8月に実質的に停止し、2024年に照準を切り替えることができた。そして今、彼らは結果として2025年に関してゲームを先取りしている。


「RB20は誕生から少なくとも6カ月が経過している。まだシーズンは始まってもいないが、我々はすでにRB21に注意を移し始めている」


 2026年に導入予定のエンジンとパワーユニットの変更への対応に必要となる、主要な設計変更の作業が間に合うよう整理をしておくという考えだ。チームは2026年型マシンのパーツの空力開発(風洞実験やコンピュータによるモデリング作業を含む)を今後12カ月間行うことを禁止されているが、メカニカルな側面については時間を使うことができる。

2023年F1第2戦サウジアラビアGP表彰式 左から2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ベン・ウォーターハウス(レッドブル パフォーマンスエンジニアリング責任者)、優勝セルジオ・ペレス(レッドブル)

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