2009年シーズンを制したブラウンGPのマシンがオークションに出品。バリチェロが2勝を挙げたシャシー

2025年2月7日(金)8時0分 AUTOSPORT web

 2025年5月に開催予定のF1第6戦マイアミGPで、F1の歴史に残る逸品がオークションに出品される。それはブラウンGPが初めて製作したマシンであり、2009年のチャンピオンシップを制したBGP001/01だ。この名誉あるイベントは5月3日にボナムズが主催し、ブラウンGPのマシンが初めて一般に向けて入手可能となる。


 ブラウンGPの2009年シーズンは、F1の伝説そのものだ。ロス・ブラウンは2008年限りでF1から撤退したホンダのF1チームを買収し、チームはわずかな予算でフェラーリ、マクラーレン、レッドブルの強豪に挑み、驚異的な復活を遂げた。ブラウンGPはホンダの所有下で開発されたシャシーにメルセデスのパワーユニットを搭載しており、メルセデスに買収される前の唯一のシーズンにおいて、ドライバーズとコンストラクターズの両タイトルを獲得するという驚異的な展開を見せた。


 オークションに出品されるBGP001/01は、これまでに製造されたわずか3台のブラウンGPシャシーのうちの1台だ。このマシンは2009年シーズンの大半を通じてルーベンス・バリチェロがドライブし、バレンシアでのヨーロッパGPとモンツァでのイタリアGPで2回の優勝を果たし、そのほかに4回の表彰台を獲得した。


 マシンは2009年のアブダビGPのカラーリングで仕上げられており、このスポーツの最大の成功物語のひとつの輝かしいシンボルであり続けている。

2009年F1アブダビGP ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)


■秘密兵器:ダブルディフューザー


 ブラウンGPの成功の核心は、画期的なダブルディフューザーだった。これは2009年のレギュレーションの抜け穴を利用していることから物議を醸したものの、合法的な空力技術の革新だった。


 ライバルチームが追いつこうと奮闘するなか、ブラウンの空力の傑作はシーズン序盤を席巻し、ジェンソン・バトンが最初の7レースのうち6レースで優勝した。この技術的な優位性は、他のチームが効果的な対抗手段を開発する前にタイトルを確保する上で、決定的な役割を果たした。


 なお2009年シーズン終了後、BGP001/01はジェンソン・バトンに譲渡された。当時バトンとチームとの契約には、タイトルを獲得した場合はそのシーズンに走らせていたシャシーの1台を譲渡するという内容が含まれていた。しかしチーム側は、2009年は限られた数しか製造しなかったためスペアがないとして、当初は取り決めを守らずレプリカの提供を申し出た。しかしバトンは2010年にメルセデスを相手取り、彼が正当に所有すべきものを求めてロンドンの高等法院に訴えを起こした。長い法廷闘争の末、このマシンは2024年まで彼の所有物となった。その後オークションに出品されたが、現在の売り手の身元は明らかにされていない。

2009年F1ブラジルGP ジェンソン・バトン(ブラウンGP)


 ボナムズのマイアミ販売責任者であるルイス・フランケルは、このマシンの重要性を次のように主張した。


「このマシンは究極のF1のおとぎ話であり、革新的なデザインは可能性を再定義した。シャシー001/01は、モータースポーツの歴史の一部であり、オークションに提供されることで、世界中のコレクターを魅了することは間違いない」


「伝説的な地位にふさわしい舞台であるマイアミGPで、この二度とない機会を提供できることを光栄に思う」


 コレクターにとっても、F1愛好家にとっても、ブラウンGPのおとぎ話のようなチャンピオンシップシーズンの一部を所有できるチャンスは、前例のないものだ。最先端のイノベーション、歴史的な勝利、そしてメルセデスの現代のF1支配の基盤を築いた伝統を組み合わせたBGP001/01は、単なるレースカーではない。F1史上最も素晴らしいシーズンのひとつを象徴するマシンなのだ。

2009年F1ブラジルGP ブラウンGPはコンストラクターズタイトルを、ジェンソン・バトンはドライバーズタイトルを獲得した


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