レッドブルの速さに「驚いた」とマクラーレン代表。コース特性も相まってフェルスタッペンを追うペースはなかったと認める
2025年5月21日(水)8時0分 AUTOSPORT web

マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、F1第7戦エミリア・ロマーニャGPでのレッドブルのペースに驚いたことを認め、イモラのようなコースでは有利ではないと語った。
エミリア・ロマーニャGPの終わりに、マクラーレン陣営がまず感じたのは驚きだった。マックス・フェルスタッペンとレッドブルに負けたこと以上にチームメンバーを驚かせたのは、RB21の明らかに優れたレースペースとタイヤマネジメント能力だった。スタート直後、フェルスタッペンがセンセーショナルな動きでオスカー・ピアストリを抜いたとき、マクラーレンのピットウォールにはパニックの反応は見られなかった。MCL39のレースペースとタイヤマネジメントに合わせて、合理的なタイヤ戦略があれば、ピアストリをふたたびトップに押し上げるには十分だという確信があった。
しかし、わずか数周でフェルスタッペンがピアストリを引き離し始め、現チャンピオンシップリーダーのピアストリがタイヤのグリップが失われていることを無線で報告すると、マクラーレンの状況は劇的に変化した。それ以降、チームはできる限りさまざまな戦略を試みたが、事態の流れを逆転させることはできなかった。
レース終了後、ステラは、「マイアミのようなレースでは、強力なペースを発揮できた。今回のレースは、コースレイアウトや環境条件が若干異なることから、レースペースの観点から言えば、よりバランスが取れたものになると思われた」と説明した。
「サウジアラビアや日本のような高速サーキットですでに見てきたように、予選では非常によいバランスが取れていたことはわかった」
「正直に言って、今日のレッドブルのペースには少々驚いた。レッドブルは非常に競争力があった。1コーナーでのオスカーとマックスのポジションの入れ替わりは、レースの勝敗がほぼ決まったことを意味していた。その後、彼を追いかけようとしたが、実際には、1周目の終わりに首位を奪ったマックスを倒すのに十分なレースペースが今日の我々にはなかった」
他の誰もと同じように、ステラはマクラーレンの方がレッドブルよりもタイヤマネジメントの点で優れていると予想していた。ステラはすべてのデータを得たことから、フェルスタッペンに対して予想外にペースが上がらなかったことについて、いつものように情報に基づいた詳細な分析を行った。
「タイヤは要因だったが、ウォームアップという意味ではない。ソフトタイヤが新しかったときに、予選であまりよいパフォーマンスを発揮できなかったことが要因であり、タイヤはふたつの意味でレースの要因だった」
「最初のスティントでは、タイヤがひどく劣化しているように見える段階があったが、その後、実際にはもっとよいパフォーマンスを発揮するようになった。それが、ランド(・ノリス)、マックス、そしてその他のドライバーが1ストップを狙った理由だ」
「しかし、確かにタイヤが消耗したように思えた局面があり、オスカーを含め他のドライバーは2ストップに踏み切った。セーフティカー後のリスタートでは、タイヤが劣化していたため、新しいタイヤを履いたクルマがセーフティカー導入中にタイヤを交換しなかったクルマを追い抜くことができた」
「今週末はタイヤが重要な役割を果たしたと思うが、ウォームアップ、つまりタイヤを始動させるという点はあまり関係なかったと思う」
またステラは、イモラのコース特性もフェルスタッペンの勝利を助けたと考えている。
「タイヤの挙動と温度の状態を見直す必要がある。今日起こったことは、いくつかの要素の組み合わせだと考えている。レッドブルは向上したし、彼らは過去数レースにわたってマシン開発をしており、一歩前進したと思う。そしてコーナーのスピードについては、マイアミのスピードと比較すると、エアロマップ上ではまったく異なる状況であることがわかる。このマシンは空力マップのまったく異なる部分で作動している」
「マイアミやバーレーン、中国のようなコースレイアウトでは、我々のマシンが強いことはわかっているが、ここイモラのような高速コーナーとなると、我々は特に有利ではないだろう。つまり、サーキットレイアウトとレッドブルの進歩、このふたつの要因が、今日我々がそれほどアドバンテージを持てなかった原因だと思う」