角田裕毅も「不必要」と怒った人種差別投稿 母国ファンの“誹謗中傷”にコピラントも不満「もっとツノダに敬意を払うべきだ」
2025年5月20日(火)7時0分 ココカラネクスト

ライバルレーサーのファンから誹謗中傷の攻撃にあった角田。(C)Getty Images
激しい競り合いの続くレース中のさりげない仕草によって、レッドブルの角田裕毅は、人種差別を含んだ批判的な声に晒された。
キッカケとなったのは、現地時間5月18日に決勝を迎えたエミリアロマーニャ・グランプリのフリー走行1回目で角田がフランコ・コラピント(アルピーヌ)に見せたジェスチャーにあった。
【画像】コラピント母国紙が切り取った角田裕毅のジェスチャーシーン
この日がアルピーヌでの走行初日となったコラピントは、マシンはもちろんチームにも不慣れな状況下でレースに参戦。エンジニアとのコミュニケーションにもフラストレーションを募らせていた中で、コース上でライバルのマシンを妨害するような走りをしてしまう。これに苛立ちを露わにした角田は、21歳のアルゼンチン人に向かって挑発的なジェスチャーをした。
激しいレース中においては時に見られる光景ではあった。しかし、コラピントの母国アルゼンチンファンは角田に猛反発。レース後に当人のSNSにはスペイン語で大量の誹謗中傷が殺到し、小さくない波紋を呼んでいた。
角田自身は英衛星放送『Sky Sports』などの取材に「あれはちょっと不必要だと思う」と度が過ぎた誹謗中傷に不快感を吐露。さらに「間違ったことを言ったわけでも、ひどいことを言ったわけでもありません。ただ、自分の不満を表明しただけ」とジェスチャーの理由を明かした上で「何も悪いことをしていないのに、彼ら(差別投稿をしたファン)は狙っている」と苦言を呈した。
行き過ぎた行為をするファンに不満をこぼすのは、他でもないコラピントも同様だ。英専門メディア『The Race』によれば、角田への誹謗中傷を知った21歳は「彼の進路を塞いでしまったのは僕だ。瞬間的に怒るのも無理はない」と強調。母国ファンに強い不満をぶつけている。
「彼ら(ファン)はすごく情熱的だ。でも、いつも反応が過激だ。もっと、ツノダや他のレーサーたちに敬意を払うべきだよ。それが僕らみんなの望んでることなんだ。今のSNSには本当にヘイトが多い。もちろん、僕らドライバー全員に対して、冷静さとリスペクトを保ってほしいと思ってる」
いかなる理由があるにせよ、誹謗中傷、ましてや人種差別的なコメントは言語道断。レーサーを苦しめる行動が減っていくことを願うばかりである。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]