マクラーレンF1のスポーティングディレクターなどを務めたサム・マイケル、FIA安全委員会の委員長に就任

2022年2月8日(火)16時47分 AUTOSPORT web

 ウイリアムズのテクニカルディレクターやマクラーレンのスポーティングディレクターを歴任したサム・マイケルがFIA安全委員会の委員長を引き受け、F1の最前線に戻ることになった。マイケルはサー・パトリック・ヘッドの後任となるが、これは新FIA会長のモハメド・ビン・スライエムによるF1の上部組織の大幅な再編の一環だ。


 安全委員会は、事故および4輪によるすべてのモータースポーツでの安全装置と使用手順の審査や見直しを行う役割を持っており、2020年の第15戦サクヒールGPで起きたロマン・グロージャンの激しいクラッシュのような事故も対象に含まれている。


 マイケルは1971年に西オーストラリア州で生まれ、キャンベラで育った。その後ニューサウスウェールズ大学でメカニカルエンジニアリングを学んだ。マイケルのF1での初仕事の場は1993年のロータスで、そして1998年にはジョーダン・レースチームに移籍し、ラルフ・シューマッハーとハインツ=ハラルド・フレンツェンのレースエンジニアを務めた。


 2001年にはウイリアムズに加入してシニアオペレーションズエンジニアとなり、2011年にスポーツディレクターとしてマクラーレンに移籍する前にはテクニカルディレクターに昇進していた。


 マイケルは2014年に母国オーストラリアに戻ることを選択してマクラーレンを去り、オーストラリア・モータースポーツ安全協会に加入。またパートタイムでトリプルエイト・レースエンジニアリングのアドバイザー役を務めると同時に、機械学習の会社を設立したり、西オーストラリア大学で講義を行ったりもしていた。

2013年F1第16戦インドGP セルジオ・ペレス(マクラーレン)&サム・マイケル(マクラーレン スポーティングディレクター)


 2017年にマイケルは、新たなモーターレースの安全装置の見直しを行うFIAリサーチワーキンググループのアドバイザーとなった。またFIAシングルシーター委員会の委員にもなっている。なお同委員会は現在代表が不在だ。


 今週発表されたFIA上層部の体制変更については、元F1ドライバーのフェリペ・マッサについての動きがある。以前CIKインターナショナル・カーティング委員会の委員長を務めていたマッサは、現在トム・クリステンセンに代わってドライバーズ委員会の会長に任命されている。

FIAのドライバーズ委員会の会長を務めるフェリペ・マッサ


 マッサが務めていたカーティング委員会の委員長は、アクバル・エブラヒムが引き継ぐことになった。エブラヒムは元レーサーで、チームオーナーやドライバーコーチを務め、現在はインドモータースポーツクラブ連盟の代表だ。


 またデボラ・マイヤーが『女性のモータースポーツ活動推進委員会』の委員長職を、ラリーのレジェンドであるミシェル・ムートンから引き継ぐ。ムートンは昨年12月に辞任を発表している。マイヤーは以前はGT3に参戦していたが、その後アイアン・リンクス・モータースポーツラボの共同創設者となり、アイアン・デイムスプロジェクトを率いている。


「FIAの『女性のモータースポーツ活動推進委員会』委員長として新たな章をスタートさせることをとても光栄に、そして誇りに思っています」とマイヤーは語った。


「私のレースへの情熱と、モータースポーツへの女性の進出は、私にとっては大変身近なものです」


「過去数年にわたってFIAのなかで成し遂げられた素晴らしい進歩を継続したいと、強い思いを抱いています」



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