「交渉を人間味のあるものに」物別れ状態の閉塞感を破った金満オーナーの“直談判” 大砲アロンソのメッツ再契約の舞台裏
2025年2月8日(土)16時0分 ココカラネクスト

メッツ打線の中軸を担ってきたアロンソ。(C)Getty Images
急転直下でエポックメーキングな契約は決まった。現地時間2月6日、今オフにFAとなっていたピート・アロンソがメッツと再契約。米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者によれば、契約内容は来オフのオプトアウト権も含んだ2年総額5400万ドル(約81億5400万円)になったという。
【動画】大逆転劇を生んだ圧巻弾! メッツ主砲アロンソの打撃をチェック
2019年のメジャーデビュー以来、メッツ一筋でプレーしてきたスラッガーは、今オフにFAを決断。同球団からはクオリファイング・オファーの提示など残留交渉が続けられてきたが、約3週間前までは復帰は絶望的との見方が強まっていた。実際、球界屈指の金満オーナーとして知られるスティーブ・コーエン氏は、「我々は相当な額のオファーをした。彼ら(アロンソ側)が提示した条件は我々にとって非常に不利な条件だと思うし、その点については強い懸念を抱いている」とMLB公式サイトで漏らすほどだった。
溝は深まっていた。そうした中で何が事態を一変させたのか。ニューヨークの日刊紙『New York Post』によれば、アロンゾのスコット・ボラス代理人だけとの交渉に嫌気がさしていたというコーエン氏は、デビッド・スターンズ編成本部長とともにフロリダ州タンパにいた本人と直談判。いかにチームが再契約を望んでいるのかを熱く伝え、口説き落としたという。
「私は交渉を人間味のあるものにしたかった。彼に、直接、私の話を聞いてもらいたかったんだ。2人の人間がリアルに会話をする。それが大事だった。その場で私ははっきり言った。『我々は君に戻ってきてほしい』とね」
この“御大”による大胆な交渉が突破口となった。「再契約はない」と考えていたというアロンゾもコーエン氏と球団の行動に感銘を受けて交渉を再開。見事に2年契約を成立させた。
今オフにはフアン・ソトとの15年総額7億6500万ドル(約1147億5000万円)の超大型契約を締結したメッツ。矢継ぎ早のメガディール締結は、他でもないコーエンオーナーの影響力が多分にあると言えそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]