日本ハム・新庄監督がホレた「火球男」の「生まれ持った才能」…来日初勝利

2025年5月2日(金)6時0分 スポーツ報知

古林(右)を祝福する新庄監督(カメラ・義村 治子)

◆パ・リーグ ソフトバンク2—3日本ハム(1日・みずほPayPayドーム)

 日本ハムの古林睿煬(グーリン・ルェヤン)投手(24)がデビュー2戦目で来日初勝利をマークした。ソフトバンク戦に先発し、初回に2失点したが、2回以降は無失点に封じて7回2失点。最速155キロで10三振を奪った。「火球男」の異名を持つ昨季の台湾リーグMVP右腕が実力を発揮し、新庄ハムにまた一人、スター候補生が誕生した。

 グラブをたたき、ほえた。古林睿煬は感情をあらわにした。1点リードの7回2死一塁。佐藤直への1ボール2ストライクからの4球目。内角低めの直球で空振り三振に仕留めた。「火球男」の異名通り、自慢の直球で7回を5安打2失点、10奪三振の快投で来日初勝利。ヒーローインタビューでは「ありがとう。みなさ〜ん」と慣れない日本語であいさつ。「台湾のピッチャーが日本に来ることは多くない中、1勝できたのはすごく意義のあること」と昨季の台湾MVP右腕は価値ある白星を振り返った。

 前回登板の23日の楽天戦(エスコン)は初回に3失点するなど、6回途中7失点と本来の力が発揮できなかった。この日も初回に2点を失ったが、2回以降は2安打無失点。2回には、広瀬からこの日最速の155キロの直球で三振を奪うなど実力を証明。「早く日本の流れに慣れて、より良くなっていければ」と高みを目指した。

 新庄監督の“秘蔵っ子”だ。昨年11月に獲得が決まった際には「『台湾を代表する投手』から『世界で通用する投手』になっていく」とべたぼれ。2月に初めて投球を見た際、「キャッチャーミットの先に伸びていくような軌道。こんないいピッチャーなんだ」と惚れ直した。初登板10日前の4月13日には異例の先発発表で「最多勝を狙える投手」と期待は人一倍だった。

 指揮官は打席に立つイメージを膨らませつつ「左足がついてワンテンポ遅れて腕が出てくるからバッターが差し込まれる。練習してできるものじゃない。生まれ持った才能」と大絶賛。ウイニングボールは観戦に訪れた妻に渡すという24歳が日本の地で新たなスタートを切った。(川上 晴輝)

 ▽名前 古林 睿煬(グーリン・ルェヤン)

 ▽サイズ&投打 181センチ、81キロ、右投右打

 ▽生まれ 2000年6月12日、台湾・台中市。24歳。既婚

 ▽年俸 6000万円(推定)

 ▽球歴 桃園市立平鎮高級中学から18年ドラフト1位で台湾・統一に入団。24年オフ、ポスティングシステムで日本ハム入り

 ▽台湾MVP 24年は10勝2敗、防御率1・66でMVP

 ▽名字の由来 名字の古林は両親の姓である「古」と「林」を組み合わせたもので双姓と呼ばれる

 ▽日本キラー 23年アジアプロ野球チャンピオンシップ・日本戦では台湾代表のエースとして6回1死まで完全投球

 ▽趣味 LEGO。コロナ禍をきっかけにはまった。スーパー・ヒーローズ、マーベルのブラックパンサーがお気に入り

 ▽憧れ ダルビッシュ有。エスコンの「タワー11」にあるダルビッシュと大谷の壁画を見て感動

 ▽おばあちゃん子 おばあちゃんが大好きで、台湾国内では親しみを込め「金孫(キンスン)」と呼ばれ、多くの人から愛されている

◆日本での挑戦支える球友通訳

 古林睿煬は通訳と固い絆で結ばれている。高麗(こま)諒さんは高校のチームメート。日本生まれの高麗さんは、親の仕事の関係で台湾の高校に入学。野球部で3年間寝食を共にした。「性格は当時から優しくて変わらない。変わったのは体くらい。高校の時は細かったので」と懐かしんだ。古林睿煬の日本ハム入団が決まると直接通訳を依頼され、台湾での仕事を辞め日本に渡った。練習ではキャッチボール相手になるなど精力的にサポート。「台湾で野球をやっている子たちは、日本とアメリカはみんなが目標にしている特別な舞台」。青春を共にした球友が大きな挑戦をしっかり支えている。(日本ハム担当・川上 晴輝)

スポーツ報知

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