F1レーススチュワード、モンツァでのペナルティは「難しい判定を受け入れてもらえることを示している」と主張

2021年2月12日(金)17時29分 AUTOSPORT web

 F1のレーススチュワードを務めるギャリー・コネリーは、FIAのレーススチュワードにとって重要なのは、より物議を醸すような判定の場合には背後にある理由を説明するための準備をし、ドライバーとチームが完全に判定を理解できるようにすることだと述べている。


 コネリーは2020年シーズンの極めて重要な瞬間を例にとって、自身のコメントを説明した。第8戦イタリアGPで首位を走っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)が、適切ではないタイミングでピットインを行ったとして、手痛い10秒のストップ&ゴーペナルティを受けた時のことだ。ハミルトンはセーフティカーが出動したことを受けてピットレーンに進入した。それはレースにおける標準的な進行手順だったが、その時は安全上の理由でピット入り口が閉鎖されていたことを、ハミルトンもメルセデスも気が付かなかった。

2020年F1第8戦イタリアGP コース脇にマシンを止めたケビン・マグヌッセン(ハース)


 その後の赤旗中断中に、ハミルトンはスチュワードのところに向かい、何が起きたのか、そしてなぜそれほど厳しいペナルティを受けたのか質問した。


「レース中断中にルイスは彼のキックスケーターでピットレーンに向かい、我々のところを訪問した」とコネリーは土曜日のFIAウェブカンファレンスで振り返った。


「ルイスは非常に礼儀正しかった。そして彼はただこう言った。『なぜ僕がペナルティを受けたか教えてくれますか?』とね。我々は『もちろん。なぜなら君は閉鎖中のピットレーンに入ったからだ』と言った」


「我々は彼にビデオのリプレイを見せた。彼のオンボードカメラの映像を見せたのだ。彼の真正面には最初のパネルに向けた警告灯があり、その後ふたたび2枚目のパネルが表示されていた」


「ルイスは、『ああなるほど。分かりました。でもどうしてこれほど厳しいペナルティなのですか?』と言ったよ。だから『ルイス、残念ながらこれは規則で定められたペナルティなんだ。このペナルティを科す以外に我々に選択肢はない』と説明したのだ」


「我々は該当のレギュレーションについて言及した。他に選択肢はなかった。我々のほとんどはこうしたことを好んではいない。強制的なペナルティを科すことはしたくない」


「実際のところ、F1のFIAスチュワードのチェアマンと他のスチュワードのほぼ全員が、強制的なペナルティには賛成していない。だが主にチームからの要求により規則は存在する。そしてこの件はストップ&ゴーペナルティが科されることになっている」


「ルイスはこのことに完全に満足してはいなかったが、彼は受け入れた。彼はいつものようにとても礼儀正しく、部屋を出て戻っていった。きっと彼はチームに対し、なぜ無線で彼に警告しなかったのか質問しただろう」


「この件は、説明することができれば、難しい判定を当事者や幅広い観衆に受け入れてもらえることを示している。判定がどれだけ痛みを伴うものであっても、ルイスと彼のチームに受け入れられたという完璧な例だと考えている」


 結局このペナルティで勝機を失ったハミルトンは7位でレースを終え、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーがチームの地元でF1初優勝を飾った。

2020年F1第8戦イタリアGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)&ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

AUTOSPORT web

「ペナルティ」をもっと詳しく

「ペナルティ」のニュース

「ペナルティ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ