佐藤万璃音の新チームメイトが語るBMWとマクラーレンの走らせ方の違い「自分に合っているのは720S」
2025年2月25日(火)7時5分 AUTOSPORT web

ダレン・ラーンは、今季2025年に取り組むマクラーレンとBMWのGT3マシンを異なるチャンピオンシップで操縦する複合プログラムによって、ドライバーとして成長できると述べ、2台のマシンを乗り換えても「まったく動じない」と主張した。
FIA国際自動車連盟によるドライバー・レーティングで“ブロンズ”に格付けされているラーンは、WEC世界耐久選手権で2年目のシーズンを迎えるのを前にチームを移籍。BMW陣営のチームWRTからユナイテッド・オートスポーツへと移り、ラーンとともに移籍したショーン・ゲラエル、彼らの新しいチームメイトとなる佐藤万璃音と95号車マクラーレン720S LMGT3エボをドライブすることとなった。
ラーンは昨季2024年、チームWRTのBMW M4 LMGT3でWECデビューを果たし、イモラ6時間レースでクラス優勝を達成し、ル・マン24時間レースでも表彰台に上った。
しかし、この37歳のドライバーはWECではBMWから離れるものの、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)では自身が運営するパラディン・コンペティションを通じ、ミュンヘンのブランドとの関係を継続される予定だ。
「実はGTWCヨーロッパでのBMWの事業を拡大したため、今年は2台のクルマを走らせることになる」とラーンはSportscar365に語った。「シルバー(カップ)カーも走らせるつもりだ」
LMGT3クラスでのマクラーレンへの移籍は、昨年のFIAモータースポーツ・ゲームスにスカイ・テンペスタ・レーシングのフェラーリ296で出場した以外は、GT3レースでBMWマシンしか走らせてこなかったラーンにとって、ある種の転機となる。
ふたつのブランドを行き来することで、より良いドライバーになれると思うかと尋ねられると、ラーンは「そうなると思う」と答えた。
「昨年末、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンのGT3カーをドライブしたが、その度に本当に満足していた。思っていたよりもうまくいったんだ」
「(クルマの乗り換えは)一般的に、自分の運転について根本的なレベルで真剣に考えるよう強いられる。根本的なドライビングスタイルの違いを作らなければならないためだ」
「だから、そのサイクルを繰り返すたびに少しずつ理解が深まると思っている。その点ではかなりいい感じだ。マクラーレンとBMWの間を行き来しても、調子が狂っているような気はまったくしない」
「僕はドバイでGTワールドチャレンジのテストをピレリタイヤ(を履いたBMW)で行っていたが、その後ミシュランタイヤに切り替えて(ドバイ24時間)レースに備えた。レースではM4 GT3エボを11時間ドライブし、その翌週に(グッドイヤータイヤを履く)マクラーレンのコクピットに戻った。そこでは数周走っただけで自分がいるべき場所にいると感じられたよ」
■2台の性格は「まったく異なる」
ラーンは、2台のGT3カーの運転の違いについてもさらに詳しく説明し、GTWCヨーロッパとブリティッシュGT選手権で優勝を勝ち取ったBMWよりもマクラーレンのほうが自身のドライビングスタイルに合っていると明かした。
「2台はまったく異なるクルマだ」と語ったラーン。「重量配分は明らかに大きな問題だと言える」
「一般的に言えば、(マクラーレンの)シャシーは小さいうえに剛性が高く、走っていてそれを感じられる。またホイールレートも一般的にはるかに硬い。一方BMWの場合、もっとも苦労するのはコーナーで、とくにメカニカルグリップの面が問題となる」
「そのため、通常はクルマをかなりソフトに運転する必要があり、それによって2台を乗り換える際にはドライビングスタイルが大きく変わる。BMWはコーナーでのスピードが落ちるぶん直線速度が明らかに優れているため、Vの字を描くようにコーナーを曲がる必要がある」
「マクラーレンはその逆だ。一般的にマクラーレンのほうが、よりブレーキで攻めることができる。そしてボトムスピードが明らかに速い。だからコーナーの進入でもっと攻めることなるが、こちらのほうが僕のスタイルには合っていると思っている」
「BMWのドライブは、僕が自然に運転したい方法とは正反対だと言える。僕は通常、エントリーをかなり激しく攻めて、そのフェーズでクルマのノーズに押し付けるのが好きなんだ」
「一方、BMWの場合はラテラルをしっかり構築しなければならないし、エイペックス・ポイントも正確である必要がある」
投稿 佐藤万璃音の新チームメイトが語るBMWとマクラーレンの走らせ方の違い「自分に合っているのは720S」は autosport webに最初に表示されました。