6号車ポルシェが逆転勝利で7号車の連勝ストップ。BMWの連続ポールは継続中/IMSA第4戦

2025年5月12日(月)12時10分 AUTOSPORT web


 5月11日、アメリカ・カリフォルニア州に位置するウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第4戦の決勝レースが行われ、6号車ポルシェ963(マシュー・ジャミネ/マット・キャンベル組)が優勝。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは開幕4連勝を達成している。


 1月に行われた開幕戦デイトナ、3月のセブリング、そして先月開催されたロングビーチの開幕3戦をいずれも7号車ポルシェ963が獲るなかで迎えた今季第4戦『タイヤラック・ドットコム・モントレー・スポーツカー・チャンピオンシップ』。土曜の予選では、こちらも開幕から“連勝”を続けるドリス・ファントールが24号車BMW MハイブリッドV8を4戦連続でポールポジションに導き、ポルシェ・ペンスキーの963艦隊がこれに続くトップ3に。



 迎えた日曜の決勝。スタートでファントールがポジションをキープした一方で、その背後ではチャンピオンシップをリードする7号車ポルシェのフェリペ・ナッセが姉妹車6号車を逆転して2番手に浮上する。2列目4番手スタートの10号車キャデラックVシリーズ.Rはオープニングラップで順位を3つ落とし、代わって60号車アキュラARX-06が4番手に。


 スタートから40分過ぎ、上位3台が僅差の争いを続けるなかキャンベル駆る6号車ポルシェがGTカーと接触した直後に一時スローダウン。この隙に60号車と93号車のアキュラARX-06勢が先行する。対して僚友ナッセはその10分後、24号車BMWをコース上でかわし7号車をトップに押し上げた。



開幕戦デイトナから4戦連続でポールポジションを獲得しているドリス・ファントールと24号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームRLL) 2025年IMSA第4戦ラグナ・セカ

 GTPクラスの各車が最初のルーティンピットを終えると6号車ポルシェがアンダーカットを成功させるかたちでレースリーダーとなり、24号車と7号車が続く展開に。BMWは7号車にパスされたあとオーバーカットで前に出たが、アウトラップでライバルにふたたび先行を許す。


 トップに立ったジャミネは好ペースで後続を引き離し、姉妹車のポルシェに8秒、24号車BMWに16秒差をつけて逃げを打つ。2番手7号車のニック・タンディは一時5秒台にまでギャップを縮めたがスティント終盤にその差はふたたび7秒に拡がった。


 フィニッシュまで残り1時間弱で6号車が2度目のピットイン。数周後に姉妹車がラストピットから出てきた際に一瞬先行を許した6号車だが、ジャミネはアウトラップのタンディをかわしふたたび5秒ほどの差をつける。レース終盤はタンディがペースアップ。残り40分の時点でポルシェ2台のギャップは2.6秒となり、5分後には1秒を切った。


 その後ワークス963同士のトップ争いは、バックマーカーの影響で両車の間隔が開いたことで緊張がほぐれたが、今度はファントールが再搭乗した24号車BMWが7号車ポルシェの背後に迫る。


 6号車優勢の流れが訪れるなか残り7分、トップを走るジャミネが周回遅れの31号車キャデラックに詰まったため上位3台がワンパックに。ふたたび緊張感が漂う。三つ巴の争いはファイナルラップまで続き、最終的には6号車ポルシェが姉妹車を1.692秒差で退け今季初優勝を飾った。


 24号車BMWは最終コーナーでGTカーに並びかけた7号車ポルシェを大外から交わしにかかったが、横並びとなった3台が接触した際にコース外へはじき出されてしまう。しかし幸いクラッシュやスタックすることなくコースに復帰することができ、後続車とのギャップも大きかったことから3位でチェッカーを受けている。4位は25号車BMW、5位にはホンダ/HRCセミワークス体制の93号車アキュラが入っている。




名物コーナーのコークスクリューを駆け下るポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの7号車・6号車ポルシェ963 2025年IMSA第4戦ラグナ・セカ


GTDプロとGTDクラスのスタート 2025年IMSA第4戦ラグナ・セカ

 GTDプロクラスは、ポールシッターの81号車フェラーリ296 GT3がレースの前半3分の1をリードするも、全車が最初のピットストップを終えると3番グリッドから2番手に順位を上げた“恐竜ポルシェ”こと77号車911 GT3 Rがトップに浮上する。


 その後はAOレーシングのレギュラーである“レキシー”の妹でピンクのリバリーをまとう“ロキシー”ポルシェが独走体制に入り、最後までこのカテゴリーを支配した。一時3番手に落ちた後、終盤に順位をひとつ取り戻した81号車フェラーリに8秒先着し、シーズン3勝目をマーク。なお、このうちのひとつは前戦ロングビーチでのGTDエントリーで達成したものだ。


 クラス3位には2.3秒差で9号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2を振り切った3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rが入り、最後の表彰台を獲得している。



GTDプロクラスで2連勝を飾った77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)。今戦は“レキシー”の妹である“ロキシー”として登場 2025年IMSA第4戦ラグナ・セカ

 GTDクラスも予選最速のクルマが序盤の戦いで隊列を牽引したものの、ピットストップを発端に順位が入れ替わった。予選でポールを奪った32号車メルセデスAMG GT3エボは最初のピットストップ後、12号車レクサスRC F GT3に首位の座を奪われたがコース上で逆転してみせる。


 しかし2度目のピット作業でまたしてもレクサスが先行。さらにその前を57号車メルセデスが走る展開となる。上位2台はこの順位のまま2時間40分レースのチェッカーを迎え、3位には34号車フェラーリ296 GT3が入った。最終盤に抜かれた32号車メルセデスは表彰台に1.8秒及ばなかった。


 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦は、ミシガン州のデトロイト市街地サーキットで開催される『デトロイト・グランプリ』だ。5月30〜31日に行われるスプリントレースにはGTPとGTDプロの2クラスが参加する。



GTDクラスを制したウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3エボ(ラッセル・ワード/フィリップ・エリス) 2025年IMSA第4戦ラグナ・セカ


32号車メルセデスAMG GT3エボ(奥)をかわして一時GTDクラスのトップを走行した12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン・レーシング) 2025年IMSA第4戦ラグナ・セカ

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