「こんなマジメな外国人選手は初めて」誰からも愛された元・鷹グラシアルの人間力「日本で成功するためには、日本人より努力が必要」

2023年2月25日(土)6時0分 ココカラネクスト

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 昨年まで福岡ソフトバンクホークスで5年間プレーした、WBCキューバ代表のジュリスベル・グラシアル。端正な顔立ちと、常に全力の姿勢や献身的なプレーで、チームからもファンからも愛された助っ人だ。キューバ代表としてWBCに臨むグラシアルに、日本野球で得た経験やアジャスト方法について話を聞いた。

 グラシアルはキューバ国内リーグで活躍し、2015年にはキューバ代表に初選出。2017年に開催された第4回WBCのキューバ代表に選出されると、2次ラウンドの日本戦では巨人の菅野智之投手から本塁打を放った。2大会連続となるWBC出場に向けて、現在の状態をこう話す。

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「今はキューバ代表として日本に来て、WBCに向けて調整しています。しっかり準備することに集中しています」

 2018年に福岡ソフトバンクホークスに入団すると、サヨナラ満塁本塁打や日本シリーズでのMVP獲得など、NPBでの5年間で大きなインパクトを残した。

「たくさんの思い出があるけど、その中であげるとしたら優勝した時ですね。みんなで笑った時とか、みんなで苦しんだ時とか。ホークスのみんなが自分にとっての家族だと思って過ごしていました。自分にとってホークスで過ごした5年間は、野球人生にとって宝物です」

 NPBで過ごした5年間で日本一3回、通算成績は打率2割9分3厘、ホームラン59本、178打点。32歳からのNPB挑戦でありながら、アベレージヒッターとしてもパワーヒッターとしても、さらには守備でも左翼を中心に、一塁、二塁、三塁手を務めた。走攻守ともに日本野球に対応できた要因をこう語る。

「常に練習をすることですね。日本で成功するためには、日本人選手より、誰よりも努力しなければいけない。そういう気持ちを持って毎日練習に臨んでいました。ただ闇雲に練習するだけではなく、どんな練習をしたらいいか、コーチ陣やチームメイト、通訳にもアドバイスを求め、様々な意見を聞いて、その中から合っている、合っていないを見極めて取り入れて練習していました」

「超マジメ外国人選手」と称されるグラシアル。ソフトバンク時代にスペイン語通訳だった青木レオナルドさんは、「こんなマジメな外国人選手、僕も初めてです。試合前も早く練習に来て、試合後も一番遅く帰っていく。練習しすぎて、コーチ陣がやり過ぎだって止めるくらい。心は優しくて笑顔も素敵だけど、仕事になると本当にストイック。彼はいい時も悪い時も、練習に向き合う姿勢や人への態度を変えないんですよ」と証言する。

「大切なことはいい時も悪い時も変わらず、油断しないことです。身体のケアをしっかりとし、準備を怠らず、どんな時でも練習をすること」

 そう語る愚直な助っ人がNPBで師と慕うのは、「日本人選手全員」だ。

「日本人選手はみんな一所懸命練習をするし、努力家で研究熱心。彼らと一緒にプレーすることで、精神的なことや技術などたくさんのことを学ぶことができました。日本での経験は、野球人生にとって財産です」

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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