「審判の偏った笛に悩まされた」日本に88年ぶり敗北の中国がまさかの嘆き節 敵地に異論「あまりに悪魔的」【バスケ】

局面でタイトな競り合いが目立った両チーム。そのマッチアップは思わぬ論争を生んだ。(C)Getty Images

　日本が歴史的な金星を挙げた。

　2月25日、男子バスケットボールの「FIBAアジアカップ予選1次ラウンド Window1」第2戦が東京・有明コロシアムで行われ、世界ランク26位の日本が同29位の中国に76-73で勝利。開幕2連勝を飾った。

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　手に汗握る接戦だった。第1クォーター（Q）序盤は最大11点差をつけられる劣勢となった日本だが、井上宗一郎の3ポイント（P）シュートなどで反攻。第2Qをジョシュ・ホーキンソンらの奮闘で、前半は38-38で折り返す。

　そして迎えた後半は馬場雄大、河村勇輝らが要所で得点を量産。リードしていた最終Q残り2分を切ったところで3点差に迫られたが、残り1分9秒でホーキンソンが比江島慎とのダブルチームでボールを奪い、そのまま豪快にダンク。見事に逃げ切った。

　アジアカップ最多16度の優勝を誇る中国に対し、日本が「アジア大会以上の国際大会」で勝利したのは1936年のベルリン五輪だった。1975年のアジアカップで敗戦を喫してからは、この日まで国際主要大会で18連敗中。歴史的に見ても天敵と言える相手に競り勝ったのである。

　アジアのライバルに喫した痛恨の敗北を受け、中国メディアからは嘆きの声が上がった。スポーツメディア『捜狐体育』は「88年間破られなかった歴史がこじ開けられた」と指摘。日本に対する敗北を憂いつつ、「中国は審判の偏った笛とファウルトラブルに悩まされ続けた」とジャッジに問題があったとする異論を唱えている。

　実際、この日の総ファウル数は、中国が「24」なのに対して、日本は「18」。フリースローに至っては、日本は27本中で21本を成功。かたや中国は15本中で13本と差があったのは確かだ。ゆえにジャッジを断ずる指摘は他メディアでも目立っている。ポータルサイト『騰迅体育』は「日本のホームコートはあまりにも悪魔的だ」と振り返った。

「素早いプレーを仕掛けてくる日本の選手たちを止めようと、中国の選手たちがファウルに頼ったのは否定できない。しかし、審判のジャッジにはホーム側にホイッスルの要素が強すぎるあまり、多くの論争を引き起こした。中国のヘッドコーチ、サーシャ・ジョルジェヴィッチは怒りのあまりに何度も審判を怒鳴りつけていた」

　それでも敗北は敗北だ。中国の主軸である胡錦秋は、地元メディアのフラッシュインタビューで「今日の負けを絶対に忘れずに、失ったものを取り戻していきたい」と言葉を振り絞るのが精一杯だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]