新型肺炎のF1序盤戦への影響を懸念する声「一部チームが欠場を強いられるなら、あまりにも不公平」
2020年3月2日(月)12時54分 AUTOSPORT web

F1チームは新型コロナウイルス感染拡大による健康被害の問題、さらに2020年シーズン序盤への影響を心配している。
中国から始まった流行はいまや世界各国に広がり、アジアだけでなく最近ではイタリア北部でも感染者数が急増している。イタリアからの入国制限を設ける国もあり、今後の状況が序盤戦のオーストラリアGP、バーレーンGPにおよぼす影響が懸念されている。
イタリアにファクトリーを構えるフェラーリとアルファタウリは、スタッフを感染のリスクから守るための措置を講じている。
「アルファタウリにとってコロナウイルスの件は非常に深刻な問題だ」とアルファタウリのチーム代表フランツ・トストは語った。
「全従業員に特別な行動をとるよう指示した。移動範囲を大幅に縮小し、イタリアのレッドゾーン出身の者は自宅で待機するよう指示した」
「彼らにはファクトリーに来ないよう指示している。サプライヤーにもファクトリー訪問を遠慮してもらっている。メルボルンとバーレーンのレースで何が起こるかを見守っていく」
入国制限等がスタッフの移動やロジスティクスの面で大きな影響をもたらしていると、トストは認めた。
「ロジスティクスに関して常に変更が行われている。すでにシンガポールや香港を経由することは許されないので、すべてのフライトを変更しなければならない。やるべきことが山ほどある」
トストは、万が一、一部のチームが開幕戦に参戦できないようなことになれば、それはあまりに不公平だと語った。
「もちろんグランプリに参戦したい。今のところは何も問題は起こらないと考えている」とトストは言う。
「だが、状況は1時間ごとに変化しているので、予測するのが難しい」
「何らかの理由で一部のチームが参戦できない場合──私は意思決定者ではないし、それについて考えてはいないが──、そんな形でシーズンをスタートすることは不公平だと思う。参加できない者にとって、大きな不利になるからだ」
「バーレーンについては、私が受け取っている情報が正しいなら、イタリアからの渡航者は、メディカルチェックを受けて、病気でなく、コロナウイルスに感染していないことが分かれば、入国して働くことができる」
フェラーリのチーム代表マッティア・ビノットは、「出発する前に保証がほしい」と語ったとBBCが伝えた。
「飛行機のなかで状況を知るようなことはあってはならない」
「我々は従業員を守らなければならない。そのため、出発前に、状況を明確に把握する必要がある」
開幕戦オーストラリアGPは3月13〜15日、第2戦バーレーンGPは3月20〜22日に開催される。第4戦として開催予定だった中国GPに関してはすでに延期が決定している。