青学大の太田蒼生 ロス五輪へ新制度「ファストパス」で「日本代表を目指したい」…9月・ベルリンマラソン出場へ

2025年3月8日(土)17時6分 スポーツ報知

東京マラソン途中棄権から6日となった青学大の太田蒼生は箱根駅伝祝勝会で元気な姿を見せた(カメラ・・竹内 達朗)

 今春、青学大を卒業してGMOインターネットグループ所属のプロランナーとなる太田蒼生(22)が9月21日のベルリンマラソンに出場し、新制度の「ファストパス」で2028年ロス五輪男子マラソン日本代表を狙うプランを持っていることが8日、分かった。

 太田は9月の東京世界陸上マラソン日本代表選考を兼ねて行われた東京マラソン(2日)で積極果敢に先頭集団でレースを進めたが、約36キロで途中棄権。この日、都内のホテルで開催された第101回箱根駅伝(1月2、3日)の祝勝会に出席し、元気な姿を見せた。「体調は問題ありません。昨日(7日)から走り始めました。次のレースは上海ハーフマラソン(4月)を予定しています。その後、年内にマラソンを走ります」と話した。

 関係者によると、7月に練習の一環として海外のマラソンを走り、9月に世界最速レースと言われるベルリンマラソンに出場する計画を持っているという。

 ロス五輪では新たに「ファストパス」が設けられ、27年3月までに指定大会で男子は2時間3分59秒、女子は2時間16分59秒を突破した最上位選手は、同年秋に開催される日本代表選考レース(MGC)を待たずに日本代表に内定する。太田は「今年の目標は2時間3分30秒です。ファストパス制度で日本代表を目指したい」と意欲的に話した。

 第101回箱根駅伝では4区で日本人最高タイムの区間賞の快走で青学大の連覇に貢献した太田は、東京世界陸上日本代表を目指して東京マラソンに初挑戦した。積極的に世界トップクラスの先頭集団でチャレンジ。最初の5キロを14分24秒で先頭で通過した。その後も先頭集団でレースを進め、中間点は、ハーフマラソンの自己ベスト記録1時間2分30秒よりも1分以上も速い1時間1分19秒で通過した。鈴木健吾(富士通)が持つ2時間4分56秒の日本記録をはるかに超える超ハイペースの先頭集団でレースを進めていたが、約22キロで先頭集団から後れ、約36キロで棄権した。

 初マラソンは、厳しい結果となったが、30キロ通過の1時間28分50秒は、30キロの日本学生記録(1時間28分52秒、2014年熊日30キロロードレース、服部勇馬、東洋大、現トヨタ自動車)よりも速かった。東京マラソンコースの30キロ地点は公認となる条件(標高差の減少が30メートル以内)を満たしていないため、公認記録とはならないが、太田は、高いロード適性を改めて証明した。

 レース後、大会を通じて「今回のレースは低体温と低血糖により途中で離脱していまいましたが、前半から自分がやりたいようにレースを運び、世界のレベルを知れて良い経験ができました。オリンピックで金メダルをとるために一歩踏み出せたと思います。次はもっと長く世界と戦い、3年後にはオリンピックで勝ちます」と意欲的なコメントを残した。

 東京マラソンから6日経った、この日、太田は改めてレースを振り返った。

 「箱根駅伝に比べれば8割くらいの体調でした。箱根駅伝の後、1月に(体調不良で)練習を中断したことが響きました。ただ、22キロまでは楽に走れた。(1キロ)2分53〜54秒でマラソンを走ることは不可能ではない、と思いました。それを知れたことが良かった」と手応えを明かした。1キロを2分53秒ペースで42・195キロを走りきった場合、世界歴代3位相当の2時間1分40秒になる。今後、目指すべきタイムを堂々と明かした。

 青学大の原晋監督(58)は「太田の東京マラソンは失敗でもあり、成功でもありました。いい経験になったことは間違いない。前半は先頭集団で戦い、後半は世界との差を肌で感じたと思う。太田が目標とするマラソンで五輪金メダルに向けて今後につながったでしょう」と期待を込めて話した。

 東京世界陸上男子マラソンは9月15日に行われる。太田は、東京世界陸上日本代表には届かなかったが、その6日後に行われるベルリンマラソンで再び「世界」に挑む。

スポーツ報知

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