初の予選にJuju「プッシュの前にチェッカーが出てしまった」と不完全燃焼の悔しい19番手。スピード違反&罰金も初体験

2024年3月9日(土)19時16分 AUTOSPORT web

 現役女子高生レーサーから、この春には女子大生レーサーとして、そして日本人初の女性ドライバーとして今シーズンのスーパーフォーミュラにデビューするJujuこと野田樹潤(TGM Grand Prix)。3月9日に鈴鹿サーキットで行われた第1戦の予選は19番手という結果になったが、2回目のアタックに入ることができなかったことなど、悔しい内容になってしまった。予選後の囲み会見でJujuに聞いた。


「今まで(他のカテゴリーで)は20分間とか30分間とかの予選セッションだったので、自分にとって10分間という短い時間での予選の組み立てというのが初めてで、チームと当初予定していたのは2回連続でプッシュするというプランだったのですけど、2回目のプッシュの前にチェッカーが出てしまって、それが自分にとって想定外でした」とJuju。


「もちろん、悔しいです」「納得はいっていない」という言葉を何度もJujuは繰り返した。予選タイムは1分40秒699と、同じ予選Q1B組の野尻智紀(TEAM MUGEN)のトップタイムと比べると4.8秒差というギャップになってしまったが、2回目のアタックがきちんとできていれば、もう少しギャップが縮まったことは確実だが、『もし2回目のアタックができていたら?』という質問には、Jujuは楽観的な見方をしなかった。


「タラレバなので、よくわからないですね。自分はもっとできたかもしれないし、もっと予想外が起きるかもしれないので」


 予選日の鈴鹿は気温が9℃〜10℃と、事前のテストの時よりも気温が低く、タイヤのウォームアップが難しい一日になってしまった。


「練習走行の時、自分が思った以上にタイヤが温まらなくて苦戦していたのですけど、予選の時には自分の中でコントロールできて、しっかりタイヤを温めることができたので、そこの組み立ては自分の中でも成長できたなと思っています」とJuju。そこには、自身の成長と共に、新しくチームメイトとなった松下信治の存在もあるようだ。


「(松下は)すごくいいお兄ちゃんという感じですね(苦笑)。どんなことも聞いたら教えてくれますし、すごく経験が豊富なドライバーなので、その経験も教えてくれて『どんどん質問してきてね』と言ってくれるので、自分も遠慮なく(苦笑)どんどん質問しています。本当にいいチームメイトが持てたなと思っています」とJuju。


 早速、「こういう寒い気温の中でタイヤのウォームアップ、温め方はすごく重要になってくるので、そういう面でいろいろな質問をしました」と、松下のアドバイスを求める貪欲な姿勢を見せた。同様に、クルマのセットアップにも積極的にアプローチしていったという。


「今回の予選のセットをフリープラクティスから変えていて、予選で初めて変えたセットで乗ったのですけど、1回目のアタックの時に結構、クルマが変わっているなと。そこに自分が合わせきれなかった。ですので、2回目に合わせて行きたいなと思っていたところで、チェッカーが出てアタックできなかったので、結果的には悔しいなと思っています」。


「セット変更は自分の意見として伝えて、それでクルマは良くなったので、もっと自分がそのセットに合わせ込んだ走りができれば、もっともっとタイムは上がったと思うので、だから余計に悔しいなと思います。でも、レースに向けて、いいデータは撮れたなと思っていますし、クルマもいい方向に行っていると思うので、それはすごく良かったと思います」と、悔しさと手応えの両方の収穫があったようだ。


 テストと本番セッションの違いについても、「やっぱり(本番は)予想外のことが起きますよね。テストの時だと『もう1回』とか替えが効きますけど本番はそういうことができない。予想外のことが起きた時の対応力というのも、経験がないだけに自分の思い通りにいかないということもあるのですけど、そればかりは経験を積んでいくしかない。逆に言えば、経験を積んでしまえばそういう部分はもっと良くなるというのは自分の中で見えているので、そこは良かったなと思います」と、手応えも感じたようだ。


︎自動車運転免許取得後、初めてのスピード違反はデビューレース


 さらに、このデビュー戦では練習走行でも予想外の出来事があった。フリープラクティスの際、ピットレーンで速度違反をしてしまい、罰金5万円が課されてしまったのだ。


「まだ免許をとって、公道でも違反したことがないのに(苦笑)、初めてのスピード違反でした。(罰金5万円の支払いは)社長に、すみませんという感じですね」と、現役高校生らしい茶目っ気を見せたJuju。


 高校生らしい一面は、ファンへの気遣いにも見えた。今回のデビュー戦では、土曜日にも関わらずピットウォークでは文字通り、黒山の人だかりで注目の高さと人気の高さを改めて見せつけた。


「テストの時から本当に自分の想像以上に多くのファンの方がサーキットに来て下さって、今回のレースでも想像以上で本当にありがたいなと思いました。ただ、テスト同様にスケジュール含めて自分自身に経験がない中で、チームとやるべきことがすごく多くて、なかなかファンの方と交流というかファンサービスがなかなかできなくて、そこは申し訳ないなと思っています」と、寒い中でサーキットを訪れたファンへの気遣いを見せた。


 いよいよ明日に控えた日曜の決勝では、スタートシステム、ピットストップでのタイヤ交換、そして未経験のロングランなど、課題はたくさん多い。どのような抱負で臨むのか。


「まずは完走ですね。自分の中では1回も経験したのことがない未知の世界なので、どうなるかもわからないですし、オンボード映像を見たりいろいろな方から話を聞いても、それは自分としては想像でしかない。実際、自分が経験したら違うと感じることもあるでしょうし、明日は自分にとってはレースだけど、練習だと思っていろいろなことを経験したいなと思っています」


 目標は「まずは完走ですね」と話すJuju、果たしてどんなデビューレースになるのか。また、新たな発見と新しいチャレンジがJujuを待ち受けている。

2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 Juju(TGM Grand Prix)


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