ハミルトン、ソフトウェアのバグで勝利を失う。VSCシミュレーションに誤り、ベッテルの戦略に対応できず

2018年3月26日(月)2時1分 AUTOSPORT web

 メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンが獲得すると思われていた勝利をライバルであるフェラーリのセバスチャン・ベッテルに譲り渡すことになったのは、ソフトウエアに不具合があったために適切なギャップをベッテルに対して築けなかったからであると述べた。


 ハミルトンはポールポジションからレースをリードし、優勝はほぼ確実であるように思われた。しかしハースのマシンがコース上にとまったことでバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、それがベッテルに有利に働いた。ハミルトンはすでにピットストップを済ませていたが、最初のスティントで3位を走っていたベッテルはピットストップを遅らせていたため、VSC導入時にタイヤ交換を行うことができ、ハミルトンの前でコースに復帰した。


 十分なギャップを築いていると思っていたハミルトンは、首位を失ったことに驚き、自分がミスを犯したのか(チームから指示されたターゲットタイムに届かなかったのか)とチームに尋ねた。チームはそれを否定、後にウォルフが行った説明によると、こういった状況に備えてシミュレーションを行うソフトウェアが示した数値が誤っていたということだ。


「(2位を走っていたキミ・)ライコネンにアンダーカットされるのを避けるため、彼とのギャップを十分に築こうとしていた。また、ハース勢との間にはセーフティカーギャップを築こうとしていた」とウォルフが語ったとF1公式サイトが伝えた。


「すべてをコントロール下においていた。少しリスクを冒してルイスにソフトタイヤで長めに走らせ、最後まで行かせることにしたが、それはキミに前に出られないようにするための手段だった」


 しかし、VSC出動時にポジションを維持するために必要なギャップとしてコンピュータが示した数値が誤っていたと、ウォルフは明かした。


「カメラが映し出したのは、ピット出口からセバスチャンが出てきて、我々の前でコースに復帰するシーンだった。我々が5年前から使っているソフトウェアかシステムが、誤った数値を示したのだ」


「ルイスは一切ミスを犯していない。ソフトウェアにバグがあったか、アルゴリズムに誤りがあったのだ」


 ソフトウェアが正しい数値を示していれば、十分なギャップをハミルトンが築くことが可能だったと、ウォルフは考えている。


「ピットストップ後にもう少しプッシュすれば済んだことだ。それでもっと大きなギャップを築くことができた」


「あのタイヤであと40周を走らなければならなかった。それでも、あと3秒か4秒必要だと分かっていれば、プッシュしただろう。レース終盤にリスクが生じたとしても、プッシュした」


 勝利を失ったにもかかわらず、ウォルフはVSCの規則に対して不満を示していない。


「VSCにしても通常のセーフティカーにしても、それが自分に有利に働くこともあれば、不利になることもある。今日の我々には痛手となった。受け入れるのは容易ではない。速さがありながら勝利を失ったのだから」


「だが、こういう経験によって我々はより一層強くなるのだ」


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