スーパーGT:レーシングギア界にも新風。アディダス、フリーム、ミラが今季登場へ

2018年3月27日(火)17時48分 AUTOSPORT web

 世界中のモータースポーツにおいてレーシングドライバーをひときわ輝かせる存在であるのが、レーシングスーツ。自らサーキットを走る人たちにとっては、トップドライバーたちが使うレーシングギアは注目の存在でもあるが、今季スーパーGTには、今まで使用されていなかった海外ブランドのスーツが登場しそうだ。


 クラッシュなど万が一の際にドライバーを炎から守り、かつ優れた発汗性能や動きやすさ、そして軽さ、着心地、肩を中心とした動きやすさも求められるのがレーシングスーツ。特に複数のドライバーで参戦するスーパーGTでは、乗り降りのしやすさや室内の暑さへの対処などが求められ、ドライバーからのリクエストも多い。


 そんなスーパーGTでは、2017年までは下記のような内訳で各メーカーのスーツが用いられていた。多くはチームが契約するものだが、ドライバー個人でメーカーを優先するところもある。GT500、GT300とも最多なのは、『Firelex』ブランドで長年愛される国産のグループMレーシング。日本製ではARD、ジュラン・レーシング、シルバーストンレーシング、ザ・マン・スピリットなども多くのユーザーを抱えている。


 一方、海外製ではF1でもユーザーが多いプーマ、イタリアの老舗スパルコ、二輪からスタートし、多くの愛用者がいるアルパインスターズなどが挙げられる。


■2017年GT500 レーシングスーツメーカー使用内訳
グループMレーシング/Firelex:10名
プーマ:8名
スパルコ:6名
アルパインスターズ:3名
ARD:2名
ジュラン・レーシング:1名


■2017年GT300 レーシングスーツメーカー使用内訳
グループMレーシング/Firelex:27名
ARD:14名
スパルコ:6名
アルパインスターズ:5名
プーマ:2名
OMP:2名
シルバーストンレーシング:2名
ザ・マン・スピリット:2名


※17年開幕戦時。GT500/GT300ともグローブ、シューズは別メーカーの場合がある

2017年開幕戦のGT500ドライバーたち
D’station Porscheの藤井誠暢が着用するプーマ。チームはウェアも含めてプーマで統一。
今季から参戦するCarGuy RacingはOMPを使用する


 そんなスーパーGTのレーシングスーツ界に、今季は新たなメーカーが参入しそうだ。ひとつは近年ヨーロッパを中心にユーザーが増えている、スポーツ製品ではおなじみのアディダス。もうひとつは、レーシングカート界で高いシェアを誇り、近年はヨーロッパのGTカーレースで高い人気を誇るイタリアのフリーム(freem)だ。また、Modulo DRAGO CORSEでは、ミラ(MiR)が使用される。


 アディダスをインポートすることになったのは、2台のTOYOTA PRIUS apr GTを走らせるapr。金曽裕人代表によれば、「海外メーカーも質がかなり上がっている。薄いし、値段もリーズナブルになってきている」という。


「もともとアディダスを入れたいと思っていて、業者さんから話をいただいて、aprでやることになりました。プロ向けの販売がメインですが、もちろん一般のユーザーの方にも販売します。欲しい人が気軽に買えるようにしたかたちですね」


 aprで参戦するスーパーGTやスーパー耐久でアディダスを使用することになるが、今季はTEAM UPGARAGEでも使用する。ドライバーたちからも「着心地はいいですよ」と好評だ。ただ、チームウェアについては販路がまったく別のようで、今後の調整になりそうとのこと。


 一方フリームを導入することになったのは、Audi Team Hitotsuyama。フリーム・モータースポーツ・ジャパンとしてインポートを開始したが、「四輪ではあまり入っていなかったので、使おうと連絡をとったところ、チームだけでなくインポーターとしていかがですか? という話をもらいました」というのは、一ツ山亮次代表。


「ドライバーからは非常に軽く、動きやすくて着心地がいいという評価です」というが、特筆すべきはカスタマイズ。「もともと既製品がほとんどないので、こちらであえて『ジャパンエディション』というスタンダードなものを作りましたが、やはりサイズもデザインも合わせて、フルオーダーで作るのをお薦めしています」とのこと。


 シューズのタンの部分に自由に柄が入れられたりと、ファッショナブルさも際立ち機能性も高いフリーム。アディダスはモータースポーツだけでなく、世界的に知られた信頼とファッション性、そしてミラもカート界ではお馴染みの存在であり、これらのメーカーのユーザーも今後増えてきそう。


 業界内で競争が起きれば、当然ユーザー側にはさまざまな面でいい影響が出てくる。スーパーGT内でもそれは同様で、チームウェアも含めて盛り上がってきそう。近くであまり目にする機会はないかもしれないが、ぜひGTドライバーたちのレーシングギアにもご注目いただきたい。


apr アディダス・モータースポーツ取扱ページ
https://www.apr-racing.com/product-4輪/goods/2018-adidas-motersports/


Freem Motorsport Japan
https://www.facebook.com/FreemMotorsportJapan/

富士公式テスト初日が誕生日だったTOYOTA PRIUS apr GTの平手晃平とチームメイトの嵯峨宏紀。アディダスのスーツを着用する
TEAM UPGARAGEに移籍した小林崇志と、元チームメイトの高木真一。小林がアディダスを着用する
2018年に向けた新スーツを着用するModulo DRAGO CORSEの道上龍と大津弘樹。ミラ(MiR)のスーツを着用する
2018年に向けた新スーツを着用するGULF NAC PORSCHE 911の久保凛太郎と石川京侍。ここから個人スポンサーのロゴが増えるという


AUTOSPORT web

「アディダス」をもっと詳しく

「アディダス」のニュース

「アディダス」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ