2019年シーズン開幕目前の世界ラリークロス、GRXヒュンダイ、GCKルノーらが2019年型マシンを披露

2019年3月28日(木)12時3分 AUTOSPORT web

 2019年のWorldRX世界ラリークロス選手権開幕戦アブダビを4月5〜6日に控え、マーカス・グロンホルム率いるGRXタネコ・チームがヒュンダイi20RXスーパーカーのオフィシャルカラーリングを公開。さらにルノー・メガーヌとクリオ(日本名:ルーテシア)での4台体制に拡大するGCコンペティションやMINIを投入するXITEレーシングらも続々と2019年仕様マシンを披露した。


 2018年からヒュンダイにスイッチし、レギュラーのティマー・ティマジャノフとニクラス・グロンホルムに加え、第3の男として現ヨーロピアン・ラリークロス(EuroRX)王者のレニス・ニテッシュをパートタイム起用するGRXタネコは、イエロー、レッド、ターコイズと3台とも異なるテーマカラーが採用された2019年型ヒュンダイi20RXスーパーカーを公式に披露した。


 2018年9月のWorldRXラトビア戦にGRXからスポット参戦し、i20で数ラップのドライブを経験しているニテッシュは、このヒュンダイi20の開発ドライバーにも就任し参戦ラウンド以外のスケジュールを使ってテストドライバーの役割も担う。


「このオフの間も2019年に向け、i20RXスーパーカーの改良を続けてきた」と語るのは、2度のWRC世界ラリー選手権王者でニクラスの父でもあるマーカス・グロンホルム代表。


「我々はこのプロジェクトを長期的な視点で捉えていて、同じ世界選手権であるWRCには強力な”コアチーム”が存在しているのも心強い。彼らとともに仕事を続け、この強力なドライバーラインアップとともに選手権をリードできるポジションまで登り詰めたい」


 そのGRXタネコに続いて体制発表を行ったGCコンペティションは、ルノーとのプロジェクトを推進してきたゲラン・シシェリとアントン・マルクランドという強力な布陣となるメインチームに、新パートナーのビルシュタインを迎えてブルーとイエロー基調にイメージチェンジ。そのルノー・メガーヌR.S. RXスーパーカーには引き続き“スプリット・リバリー”のデザインを採用した。


 EuroRXで2度のタイトル獲得を果たしているマルクランドは、2018年シーズン後半戦にGCKに加入。3台体制に拡大したチームを勢いづけるドライビングを披露し、その実績を買われ2019年はレギュラードライバーへの昇格を果たしている。


 またGCKは新たに“GCKアカデミー”としてジュニアチームを結成し、こちらもサポートカテゴリーであるRX2で2度のチャンピオンを獲得したシリル・レイモンドとギヨーム・デ・リデルを起用。同じくルノー製モデルがベースながら、GCKが兼ねてより使用してきたルノー・クリオR.S. RXスーパーカーの改良型2台を投入する。


「2019年はチームにとって大いなる挑戦の年になる。2018年にWorldRXデビューを果たしたメガーヌは、このオフの間にも大きく改良を施してきた。アントンとともに世界選手権を戦い、さらに若い才能をサポートするため4台体制に拡大するのは、GCKにとってのビッグステップとなるだろう」とチームオーナーでもあるシシェリ。

レギュラーのティマー・ティマジャノフとニクラス・グロンホルムに加え、第3の男として現ヨーロピアン・ラリークロス(EuroRX)王者のレニス・ニテッシュをパートタイム起用
WRCでもファクトリーチームを運営するヒュンダイ・モータースポーツとの連携でWorldRXでの覇権を狙う
ビルシュタインのイエローとブルーを基調に、2台のカラーが反転した”スプリット・リバリー”のデザインを採用したルノー・メガーヌR.S. RXスーパーカー
昨季まではプロドライブが前線部隊を担当したが、今季はフランスのFORS Performanceが4台のルノーを走らせる
GCKは新たに”GCKアカデミー”としてジュニアチームを結成し、ルノー・クリオR.S. RXスーパーカーの改良型2台を投入


 昨季まではマシンの設計と製造、そして開発も手がけたイギリスの名門プロドライブが前線でのオペレーションも担当していたが、今季からはフランス人エンジニアのステファン・オルレが率いるFORS Performanceが4台のルノーを走らせる。


 このオフの期間にGCKアカデミー用のクリオR.S.の開発を担当したマルクランドは「昨年最終3レースでGCKとともに戦った経験から、ゲラン(シシェリ)からマシン開発を託されることになったんだ」と、その経緯を説明した。


「それからFORS Performanceは、彼らが冬の間にGCKクリオを開発するのを手助けする機会を僕に提供してくれたんだ。多くの時間をマシンのコクピットで過ごすことに費やせたし、今季ともに戦うチームと密接に仕事をすることもできたよ」


 また、2018年限りでファクトリーサポートを受けていたワークスチームの多くが撤退を発表し、アウディスポーツ、プジョースポール、そして王者フォルクスワーゲン・モータースポーツがシリーズから去ることとなったが、アウディS1EKS RXクワトロを走らせるマティアス・エクストロームのチームEKSは、エントリー名をMONSTER ENERGY RX Cartelとしてアンドレアス・バッケルドとリアム・ドーランの強力なドライバーラインアップを結成。さらに3台目にはハンガリー人のクリスティアン・サボを起用する。


 そしてセバスチャン・ローブを擁したチーム・ハンセンも、紆余曲折を経てオーストリアのMJPレーシングとジョイントし、チーム・ハンセンMJPとしてハンセン兄弟によりプジョー208WRXスーパーカーの2台体制での参戦継続にこぎつけた。


 イギリス人のオリバー・ベネットも熟成を続けてきたミニ・クーパーSX1 RXスーパーカーでのフル参戦を発表済みで、2018年はWTCR世界ツーリングカー・カップにも参戦した元DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者のティモ・シャイダーも、ALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツとともにセアト・イビーザRXスーパーカーの2019年仕様でシリーズへのフルコミットを表明している。


 2019年のWorldRX世界ラリークロス選手権開幕戦は初開催のアブダビ、F1トラックのヤス・マリーナ・サーキットに新設された全長1.2kmのラリークロス・レイアウトが舞台。広いコース幅を活用したレイアウトは63%がターマック、37%がグラベル路面で構成され、ヘアピンやジャンプセクション、シケインを有するジョーカーラップを含むコースで、4月5〜6日に幕を明ける。

2年越しのプロジェクトを結実させ、いよいよWorldRXフル参戦を果たすオリバー・ベネットのミニ・クーパーSX1 RXスーパーカー
ARX参戦モデルをベースに、今季のオフもミニ・クーパーSX1 RXスーパーカーのアップデートを実施
アウディS1EKS RXクワトロを走らせるマティアス・エクストロームのチームEKSは、エントリー名をMONSTER ENERGY RX Cartelとしてアンドレアス・バッケルドとリアム・ドーランの強力なラインアップに
元DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者のティモ・シャイダーも、ALL-INKL.COM Munnich Motorsportとともにセアト・イビーザRXスーパーカーの2019年仕様でフル参戦
2019年のWorldRX世界ラリークロス選手権開幕戦は初開催のアブダビ、F1トラックのヤス・マリーナ・サーキットで幕を明ける


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