外から見るWECは「奇妙な気分」とダ・コスタ。退団後もJOTAの表彰台獲得は「とてもうれしい」

2024年4月4日(木)17時45分 AUTOSPORT web

 昨季2023年までイギリスのレーシングチーム、JOTAに所属していたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、先月カタールで行われたWEC世界耐久選手権の開幕戦でハーツ・チーム・JOTAがハイパーカークラスで初めての表彰台を獲得する様子を遠くから見るのが「奇妙な気分」だったと認めた。


 ダ・コスタは2019-20年シーズンに当時LMP2クラスで活躍していたイギリスのチームに加入。昨年はカスタマーチームに供給された『ポルシェ963』にとって最初のシーズンにJOTAの一員として参加した。


 しかしポルトガル人ドライバーは、ポルシェでのABB FIAフォーミュラE選手権の仕事に集中するため、2023年いっぱいでWEC参戦を断念せざるを得なくなり、ハーツ・チーム・JOTAに別れを告げることとなった。


 昨シーズンはハイパーカークラス4位が最高位だったダ・コスタは、元チームメイトのウィル・スティーブンスとチームに新たに加わったカラム・アイロット、ノーマン・ナトによる12号車ポルシェのトリオが、優勝した6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)に次ぐ2位という結果をJOTAにもたらすのを傍観することしかできなかった。


「それは奇妙なものだった」とダ・コスタはSportscar365に語った。「この6年間、僕はWECでレースをしてきたので、テレビのスイッチを入れてソファでそれを見るのは奇妙な感覚だったよ」


「それと同時に、この1年半の間に開発したクルマがうまく機能しているのを見ることができて嬉しかったが、プログラムの進む方向性が見えたので(成功に)驚きはなかった。サーキットはクルマにとても合っていた。ル・マンでファクトリーチームとJOTAの両方にとって、良いことが起こるのが目に見えるようだ」


 彼は現在もチーム内の多くの人々と定期的に連絡を取り続けている。そのため、ハーツ・チーム・JOTAのトップクラス初表彰台が自分の退団後に実現したことを「まったく苦く感じていない」と付け加えた。


「個人的なレベルでは、JOTAは僕にとって第二のファミリーだ。多くのチームメンバーや何人かのドライバーから、レースが終わってすぐに、僕がそこにいられなくて残念だというメッセージをもらった」


「その気持ちはお互い同じだと思う。僕は彼らの活躍をとてもうれしく思っている」


「世界中を見渡しても、自分が去った後もずっと気にかけ続けてくれるチームは多くないだろう。彼らはそのひとつだ」


「サム(・ヒグネット)とデビッド(・クラーク/共同オーナー)は、ドライバーたちがガレージの中で感じていることに大きな役割を果たしている。チームは彼らによって作られ、サムとデビッドはその精神をエンジニアやメカニックたちに広めている」


「それは素晴らしい家族であり、それが人々にパフォーマンスを発揮させるんだ」

2024年は『ポルシェ963』の2台体制でWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するハーツ・チーム・JOTA
ハーツ・チーム・JOTAの12号車ポルシェのトリオは、開幕戦で2位表彰台を獲得した。 2024年WEC第1戦カタール1812km


■並行参戦の再開に向け、いずれポルシェと話し合う


 ダ・コスタは今季、ポルシェのファクトリードライバーとしてフォーミュラEに臨む2年目のシーズンを迎えているが、最初の3レースでポイントを獲得することができず、厳しいスタートを切った。


 その後、先週日本で開催された『東京E-Prix』では、オリバー・ローランド(ニッサン)との終盤のバトルで危うくバリアに押し込まれそうになり、表彰台獲得のチャンスを逃したものの、今シーズン最高位となる4位入賞を果たした。


 フォーミュラEのシーズンは7月中旬に終了するが、ダ・コスタがWECのパドックに復帰する機会は早くても来季以降になると予想している。


「今はフォーミュラEに焦点が当てられており、僕はそうしている」と彼は述べた。


「7月以降にハイパーカーのシートが空くとは思っていない。とくにJOTAでは、そうなる理由がわからない。でも、将来がどうなるかは見てみないとね」


「(ポルシェと状況を話し合う)時が来るだろうし、そうするつもりだ」


 ダ・コスタは、フォーミュラEに集中したことがオールエレクトリック・シリーズでのパフォーマンスに役立ったかどうかを具体的に尋ねらると、次のように答えた。


「それについては、僕はあまり掘り下げるつもりはない」


「さまざまな意見が飛び交っている。それが僕たちが直面している状況であり、僕はただベストを尽くすだけだ」

東京E-Prixで4位に入り今季初入賞を果たしたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)


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