「お願いだ。マックスを先に行かせてくれ」――“エース優遇”に苛立ちか Q2敗退の角田裕毅の憤りを生んだ「無線」とは?

2025年5月25日(日)10時18分 ココカラネクスト

厳しいコース条件下でのレースを走り切った角田。しかし、彼はQ2後に不満を爆発させた。(C)Getty Images

 レッドブルの角田裕毅は、チームへの苛立ちを隠そうとはしなかった。

 現地時間5月24日、F1の今季第8戦となるモナコGPの公式予選がモンテカルロ市街地コースで行われ、角田が2回目(Q2)で敗退となった。これにより現地時間25日の決勝は12番グリッドで臨むこととなった。

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 姉妹チームのレーシングブルズのアイザック・ハジャーらに抜かれてQ3進出を逃した角田。奮起してのアタックも結果には実らなかった。

 15分間に及ぶQ2のセッションタイムが終わる直前に角田は最後のアタックを仕掛ける。しかし、結果は1分12秒003と、最終アタックに出た際の1分11秒415からタイムロス……。10番手につけていたエステバン・オコン(1分11秒262)に突き放される形となった。

 コース幅が狭く追い越し困難なモナコでは予選がカギを握る。それだけにあまりに痛恨な結果に角田自身もフラストレーションを漏らす。F1公式サイトのフラッシュインタビューに応じた25歳は「最後のアタックだけでなく、Q2全体を通して何かがおかしかった。何が起きたのかはわかっているが、ここで言わなくてもいいと思っている」と振り返った。

 神妙な面持ちで振り返った角田。実はレース中からチームに対して怒りにも似た苛立ちを爆発させていた。英国のF1専門メディア『F1OVERSTEER』は、Q2敗退が決まった直後に交わされた無線のやり取りをリポートしている。

「ツノダが何に対して怒ったのかは、正確にはわからない。しかし、彼は『正直に言えば、とても不公平だ。こうなることはわかっていたけどね』と無線を通じてチームに発信している」

 先述のフラッシュインタビューでの対応を見ても、角田がレッドブルに明らかな不満を覚えたのは間違いない。では、彼は一体何に憤ったのか。米専門サイト『Race Fans』は、Q2での最終アタック直前にエースドライバーであるマックス・フェルスタッペンを先行させることを指示されたからではないかと分析している。

 同サイトによれば、ピットレーンに角田がいた際にレースエンジニアのリチャード・ウッド氏が無線を通じて「ユウキ、お願いがあるんだ。マックスを先に丘の上で行かせてくれないか。彼は君とは違う走行プランを組んでいるんだ」と懇願したという。

 今回のモナコGPでは、マシンのアップデートも5年連続のドライバーズ王者獲得を狙うフェルスタッペンが優先される背景があった。そうした中でレース中にも絶対王者を先行させるように求められた角田はチーム内での扱いの差を「不公平だ」と語った。そう考えるのは想像に難くない。

 F1公式サイトのフラッシュインタビューで「チームと話す?」と問われても、「様子を見てみよう」とだけ語った角田。どうもチーム内に不穏な空気が漂う中で、シビアな決勝をいかに戦い抜くか。25歳の日本人ドライバーは早くも正念場を迎えているかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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