UEFAが財務規則を改正…給与・移籍金などの支出はクラブ収入の70%まで、3年間で段階的に実施

2022年4月7日(木)22時3分 サッカーキング

UEFAのチェフェリン会長 [写真]=Getty Images

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 欧州サッカー連盟(UEFA)は7日、2022年6月に施行される新たな財務規則について発表した。連盟公式サイトで伝えている。

 UEFAは欧州サッカー界の財政健全化を目的に、2010年からファイナンシャル・フェアプレー(FFP)を導入していた。UEFAに加盟するクラブは支出が収入を上回ることを禁止され、金融機関からの借入金やオーナーの資産によって赤字を補填することも認められていない。違反した場合、罰金や欧州クラブ大会の出場権はく奪などの制裁が科される。

 それでも選手の移籍金や給与の高騰は止まらず、さらにコロナ禍で各クラブが財政に大きなダメージを負うことになった。そのような状況に鑑み、UEFA執行委員会は7日に行われた会合で、財務規則の大規模な改革を承認。「ファイナンシャル・サステナビリティ・レギュレーション(財務持続性規則)」と名付けられ、ソルベンシー(支払い能力)、スタビリティ(安定性)、コストコントロールの3つの柱で達成される。

 新規則において最大の革新となるのが、選手のサラリーと移籍金に関して、より良いコスト管理をもたらすためのチームコストルールの導入だ。このルールでは、サラリー、移籍金、代理人手数料への支出をクラブ収入の70%までに制限することになる。査定は適時に行われ、違反した場合は、あらかじめ定められた罰金やスポーツ的な措置が取られることになる。

 ソルベンシーについては、(サッカークラブ、従業員、社会・税務当局、UEFAに対する)支払債務の延滞を認めないという新しいルールにより、債権者の保護がより確実となる。管理は四半期ごとに行われ、支払遅延に対する寛容さは失われる。

 また、UEFAは新規則によって、「取引の公正価値の確保、クラブのバランスシートの改善、負債の削減の要件が大幅に強化されました」と説明している。

 新規則は2022年6月に施行される予定だが、クラブの適応期間を確保するため、3年をかけて段階的に実施される予定となっている。

 UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は、新たな財務規則について次のように述べている。

「2010年に導入されたUEFA初の財務規則は、その主要な目的を果たすことができた。欧州サッカーの財政を瀬戸際から引き戻し、欧州サッカークラブの運営方法に革命をもたらした。しかし、サッカー業界の進化は、パンデミックによる避けられない財政的影響と並んで、全面的な改革と新しい財政維持規則の必要性を示している」

「UEFAは、欧州サッカー界の関係者とともに、クラブがこれらの新たな課題に対処できるよう、これらの新たな措置を策定した。これらの規制は、合理的な投資を促し、サッカー界のより持続可能な未来を築きながら、サッカーを保護し、将来起こりうる衝撃に備えるのに役立つだろう」

サッカーキング

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