W杯決定か、それとも敗退か…岐路に立ったU-17日本代表、運命の豪州戦へ「この1試合が全てという想いで戦う」

2025年4月10日(木)10時57分 サッカーキング

[写真]=Getty Images

 17歳以下のアジア王者とFIFA U-17ワールドカップ出場権を争うAFC U17アジアカップがサウジアラビアにて開催中だ。

 4月3日に開幕した同大会に参加中のU-17日本代表は4日にU-17UAE代表を4-1と撃破する好スタートを切った。だが、続くU-17ベトナム代表との第2戦は、徹底して守りを固める相手に苦戦を強いられ、後半アディショナルタイムのPKで失点。1-1のドローに終わっている。1勝1分となった日本にとって、日本時間10日(木)24時(現地10日 18時)に始まるU-17オーストラリア代表との最終節はグループステージ突破、そして“世界切符”を懸けての決戦の場となった。

「理屈と理屈じゃないところ、両方で跳ね返すことが必要になってくる」

 チームを率いる元日本代表MFの廣山望監督は、この試合をそんな言葉で表現する。決戦前日のトレーニングでは、オーストラリアの戦い方を踏まえた戦術的な確認を徹底。「理屈」の部分を選手たちに落とし込んでいたが、相手の出方が“対日本”で、あるいは試合展開や時間帯で大きく変わることも当然あり得る。心理的なプレッシャーも大きいこうしたゲームでは「理屈じゃないところ」も当然ながらキーポイントになってくる。

「『こういう時間だから、こういうやり方』といったセットより、起きたこと起きたことに1個1個セットして対応する。そういう粘り強さが求められる(廣山監督)」

 中2日の連戦という要素もあり、事前に仕込めることには自ずと限界もある。その中で試合展開に応じて、臨機応変に対応できるかが問われる試合になりそうだ。

 またオーストラリアがロングスローを含めてセットプレーで高さの優位性を活かそうとするのも確実で、「ある程度パワープレーっぽくなってきたときに、それはそれと割り切って跳ね返せるか」も当然のポイント。ここまでの2試合でロングボール、ルーズボールへの対応で課題が出てしまっていることも含め、あらためて守備面でも真価を問われることになる。

 この最終戦で勝てば文句なしの1位抜けが確定する日本だが、引き分けでも2位以上は確定する。ただ、狙って引き分けるのは逆に難しい面もあり、「まず勝ちに行く」(MF神田泰斗=RB大宮アルディージャU18)というのは大前提になりそうだ。

 敗れた場合でも裏カードが引き分けならば勝ち抜け可能だが、この他力本願は当然ながら避けておきたい。現実的には裏カードが引き分けに終わるより勝敗がつく可能性が高く、その場合はオーストラリアに負けてしまうと敗退となる(得失点差より直接対決の結果が優先されるレギュレーションのため)。

 指揮官が「この1試合が全てという想いで戦わないといけない」と強調するのも当然だろう。とはいえ、こうした緊張感やプレッシャーを感じながら、それを乗り越えることで成長していけるのも、“アジア予選”に若い選手たちが参加する意義でもある。タフな戦いになることも予想されるが、それをぶち破るような強さをチーム全員で表現する。そんな姿が観られることを期待しておきたい。

取材・文=川端暁彦


【ハイライト動画】U-17日本代表、ここまでの戦いを振り返る

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