大谷翔平、体感温度0度「チョーサムイ!」条件下でも開幕13戦連続出塁…ドジャースは打線冷え冷え15Kで敗戦
2025年4月10日(木)0時0分 スポーツ報知
気温の低い中で試合が開催され、ベンチで手を温める大谷(カメラ・宮崎 亮太)
◆米大リーグ ナショナルズ8—2ドジャース(8日、米ワシントンDC=ナショナルズパーク)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が8日(日本時間9日)、敵地ナショナルズ戦で「1番・DH」で先発出場。5打数1安打で、自身の持つ日本人記録となる開幕13試合連続出塁を達成した。昨年9月14日(同15日)の敵地アスレチックス戦から28試合連続出塁とした。試合中の“体感温度”は0度という条件下で、ド軍は15三振を喫するなど打線が冷え切り、2カード連続の負け越しが決定。極寒の首都を熱くさせた大谷の一打を、竹内記者が「見た」。
ワシントンDCの冷えきった空気を切り裂くような強烈な打球だった。大谷が最後に意地を見せた。4打数無安打で迎えた2—8の9回先頭の打席。右腕ラトレッジの内角高めカットボールを振り抜き、痛烈な右前安打を放った。自身がエンゼルス時代の23年にマークした日本人最長となる開幕13試合連続出塁に並んだ。当時は1試合の欠場を挟んでおり、ストレートでは日本人初の偉業となった。
過酷な条件下での一戦だった。MLB公式サイトでは試合開始時に7度と記録された気温は徐々に冷え、一時は手元にあるスマホの天気アプリが「体感温度0度」と表示されたほど。記者席も窓からのすきま風で極寒だっただけに、大谷の待望の一撃に熱気が漏れた。左翼席の奥には日米友好のシンボル「桜」が咲くなど春を感じさせるナショナルズパークだが、現地記者は「異例の寒さ」と指摘したほど。試合前にもロバーツ監督の囲み取材で、盛り上げ上手な米記者が「チョーサムイ!」と日本語で場を盛り上げ、沖縄生まれで日本人の母を持つ指揮官も「サムイ! グッドジャパニーズ!」と反応。ド軍周辺の関心は「寒さ」で持ちきりだった。
試合内容も冷え切っていた。ベッツら主力の一部が途中交代し、打線は8安打ながらソロ2発の2得点のみ。今季ワースト15三振を喫し、ロバーツ監督は「気分がいいものではないし、チーム打撃ができていない」と眉をひそめた。その中で大谷は、レギュラーシーズンでは昨年9月14日の敵地アスレチックス戦から28試合連続出塁。自身と05年の松井(ヤンキース)が持つ日本人歴代5位タイ「36」も射程に捉えた。1番打者として力強くチームをけん引している。
長距離移動に加えて時差もある東海岸遠征は、4日(同5日)のフィリーズ戦から1勝4敗。2カード連続の負け越しが決まった。7日(同8日)の試合前にホワイトハウスを訪れ、この日は指揮官と一部選手が米国会議事堂を訪問。前年ワールドシリーズ王者ならではの過密日程をこなし、ここが踏ん張りどころだ。「雰囲気は悪くはないし、切り替えて勝っていくだけ」と話していた大谷。絶好調の昨季MVPに続いていくしかない。(竹内 夏紀)