クロフト公式テストでは新年度に向け”伏兵”たちが饗宴。クプラとヴォクスホールが最速に/BTCC

2025年4月11日(金)18時15分 AUTOSPORT web


 公式プレシーズンテスト初日を迎えたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、4月1〜2日のクロフトで2025年シーズンに向け“伏兵”たちが饗宴。初日はアンリミテッド・モータースポーツ所属のルーキー、マックス・ホール(クプラ・レオンBTCC)が最速を射止めると、続く2日目にはモーターパーツ・ダイレクト・ウィズ・パワー・マックス・レーシングのマイキー・ドーブル(ヴォクスホール・アストラBTCC)がタイムシートのトップに躍り出ている。


 シーズン最初の公式テストは、今季エントリーが確定している24名のドライバーのうちエクセラーエイト・モータースポーツのトム・チルトンとマイケル・クリースを除く22名がノース・ヨークシャーの会場でタイムを計時したが、午前からシリーズ4冠王者のアシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)が早くも予選ラップレコードを破るタイムで先行した。



 しかし暖かさの続く午後のセッションではそのタイムも完全に塗り替えられ、ルーキーが以前のベンチマークを0.5秒以上も上回り、軽量化されながらも同等のパワーを持つ2025年型マシンが昨季よりも機敏で速いことを証明した。


「午前中のスタートから素晴らしい出来で、最初のセッションでも最終的に3番手に位置することができた」と語ったルーキーのホール。


「ランチブレイク時にいくつか変更を加えたけれど、セットアップは非常に良好だったからソフトタイヤを装着して攻めた。ペースは充分だったし、とても満足している。正直なところ自分自身もチームも驚いているし、ソフトを履いたらかなりのタイムを出すことができたので、言葉が出ないほどさ」


 そんな新スター候補生の出現に対し、BTCCで実績あるスター選手たちが終盤にホールを追い上げようと試み、ダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)と王者ジェイク・ヒル(レーザー・ツール・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330i Mスポーツ)は、それぞれわずか0.029秒差、0.039秒差で1日目を終えることに。


 さらにエクセラーエイトのトム・イングラム(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が続き、昨季のジャック・シアーズ・トロフィー覇者でもあるドーブルのトップ5に。今季よりBTCC電撃復帰を果たすシリーズ3冠の“フラッシュ”ことゴードン・シェドン(トヨタ・ガズー・レーシングUK/トヨタ・カローラGRスポーツ)が6番手に並ぶ結果となった。



今季よりBTCC電撃復帰を果たすシリーズ3冠の“フラッシュ”ことゴードン・シェドン(トヨタ・ガズー・レーシングUK/トヨタ・カローラGR Sport)は総合で8番手に


エクセラーエイト・モータースポーツはトム・チルトンとマイケル・クリースが欠席も、トム・イングラム(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が総合6番手


復活を遂げたワン・モータースポーツのFK8型ホンダ・シビック・タイプRはジョシュ・クックがトップ10入りを果たした

■2025年は全戦をオンライン・ライブ配信


 そんな今季最初の公式テストは2日間を通して晴天に恵まれ、各陣営の2025年型NGTC規定モデルは急遽の規約変更で共通ハイブリッド機構の除去や、ピュア内燃機関(ICE)と100%完全持続可能な燃料の組み合わせに対する燃焼チューニングなども経ながら、合計2800周以上、約6000マイルを走行するほぼ完璧な仕上がりを披露することに。


 前日のホールの記録である1分20秒532は、この最終日最後の1時間まで破られることがなかったが、最後の最後で従来の予選ラップレコードをさらに更新したドーブルが1分20秒391までタイムを詰め、この伏兵ふたりが両日とも好調を維持したカミッシュを最終的に総合3番手に退けた。


「プレシーズンテストプログラムの開始から、ここ数日間は素晴らしいスタートを切ることができた」と手応えを語ったドーブル。


「2025年型ヴォクスホールのフィーリングは素晴らしく、オフシーズン中のチームの努力が実を結びつつある。数週間後のドニントンでのシーズンローンチで、マシンにまた乗るのが待ち切れないね」


 開幕戦の舞台でもあるそのドニントン・パークにて、4月15日にはおなじみの開幕前公式テスト“メディアデイ”を控えるBTCCだが、主催団体であるTOCAは2025年シーズンの全レースを公式YouTubeチャンネルでライブ配信すると発表した。


「YouTubeを通じてBTCCのライブストリーミング配信を世界中にさらに充実させることができることを大変うれしく思う」と、こちらもおなじみBTCCの最高経営責任者を務めるアラン・ゴウ。


「この契約はチーム、パートナー、そして大切なサポートシリーズを含む関係者の皆にとって素晴らしいニュースだが、何よりも世界中の多くのファンの皆さまにとって、BTCCレースデイの全レースを初めてライブで視聴できるようになるという大きなメリットがもたらされる」


 各放送は約8時間で、すべてのサポートクラスを無料で視聴できるが、地元のイギリスと北米は既存のテレビ契約によりYouTubeでの配信対象外となっている。



新王者ジェイク・ヒル(レーザー・ツール・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330i Mスポーツ)は4番手タイム


両日トップ3を記録したダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)


最後の最後で総合首位を奪取したモーターパーツ・ダイレクト・ウィズ・パワー・マックス・レーシングのマイキー・ドーブル(ヴォクスホール・アストラBTCC)

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