やっぱり強かった1号車au。FCY2回、SC4回の大荒れでも逆転優勝&スープラ表彰台独占【GT500決勝レポート】

2025年4月13日(日)19時55分 AUTOSPORT web


 4月13日、岡山国際サーキットで2025年スーパーGT第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝レースが行われ、GT500クラスはディフェンディングチャンピオンの1号車au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が2番手スタートから逆転優勝を飾った。


 いよいよ開幕戦の決勝日を迎えた2025年のスーパーGTは、第1戦は例年どおり岡山国際サーキットでの300km、82周のレースで幕が上がる。前日の予選を経て迎えた決勝日は、朝から強い雨がコースを濡らす。悪天候の影響でスタート進行でのレースアンバサダー入場や岡山県警察先導のパレードラップがキャンセルされるなど、一部スケジュールの変更はあったものの、レースは13時10分にセーフティカー(SC)先導で始まった。


 コンディションはヘビーウエットの路面に加え、気温13度/路面温度15度という少し肌寒い状態。各マシンはウィービングしてタイヤを温めていくなか、5周目からレースがスタートしたが、1コーナー立ち上がりで38号車KeePer CERUMO GR Supraの石浦宏明がスピンを喫してしまう。



 そこに12号車TRS IMPUL with SDG Zのベルトラン・バゲット、16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTの佐藤蓮が避けきれずに38号車と接触してしまいコースサイドにストップ。このアクシデントによりSCが導入され、その後赤旗となり実質1周目からレースは中断される事態になった。ドライバーは石浦がGセンサー作動によりメディカルセンターに搬送されたが大きな怪我はない模様、バゲットと佐藤はクラッシュ後に自力で歩いている。


 レースは13時55分にSC先導で再開され、11周目にSCが退去しリスタートが切られる。直後のアトウッドカーブで23号車MOTUL AUTECH Zの千代勝正がスピンを喫するも、大きなダメージは見られずレースに復帰。同じ周のレッドマンコーナー(ダブルヘアピンのひとつめ)では、1号車auの坪井が14号車ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺を捉えトップに立つ。


 14周目には3号車Niterra MOTUL Zの佐々木大樹が1コーナーでコースアウトを喫し、ニスモ陣営は一瞬のうちに2台がトップ10圏内から陥落してしまうまさかの事態に。その3号車Niterraがグラベルにスタックしてしまったため、早くも3度目のSCが導入された。


 19周目にレースが再開されると、1コーナーで37号車Deloitte TOM’S GR Supraと64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが交錯したか、64号車Moduloがコースアウトするなど難しい状況が続く。また、予選で躍動したヨコハマタイヤの24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z、19号車WedsSport ADVAN GR Supraは4番手と5番手を走行するもペースが上がらず、トップ3台が差を広げていく。


 その後は雨が小康状態になっていたが、30周過ぎに再び強まる。その状況で水を得た魚のように躍動したのは37号車Deloitte TOM’S GR Supraの笹原右京で、ペースの落ち始めた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTの牧野任祐をかわして9ポジションアップの3番手に浮上してくる。しかし、その37号車Deloitteの笹原にはSC後のリスタートで64号車Moduloの進路を塞いだとして、今季から導入された“タイムペナルティ”10秒が科されてしまう。


 レースが中盤に入る34周目には100号車STANLEYがGT500ルーティンピットの先陣を切るピットストップを行うが、左フロントタイヤの交換に手間取りタイムロス。上位勢は51周目に2番手の14号車ENEOSがピットイン。中継モニター上で30秒の静止時間で大嶋和也をコースに戻すと、翌周にトップの1号車auもピットへ。トムスのクルーは同じくモニター上では29.4秒の作業で山下健太をトップのままレースに戻す。


 GT500全車が1回目のピットを終えた後の56周目には、100号車STANLEYがスリックタイヤに交換するために2度目のピットに入ると、トップをいく1号車auより2秒ほど速いペースで周回を重ねる。これを見た他チームも続々とウエットからスリックにタイヤを交換し、65周目にはGT500の全車がスリックタイヤを履いた。


 66周目には5番手を争っていた19号車WedsSportと8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが最終コーナーで接触し、アトウッドカーブ(ターン6)で19号車WedsSportがマシンを止める。その際にブレーキから炎が上がったため、ドライバーの阪口晴南が消火作業を行う。このアクシデントでフルコースイエロー(FCY)が導入され、19号車を回収するためにSCに切り替わる。


 このSC導入で各車のギャップはリセットされ、レースは残り10周で再開へ。リスタートでは1号車auが2番手以下とのリードを着実に守り、フィニッシュに向けて1号車auをドライブする山下がラストスパートをかけ、そのまま昨年王者が盤石のトップチェッカーを受けた。


 2番手の14号車ENEOSには、10秒タイムペナルティを抱えた37号車Deloitteのジュリアーノ・アレジが迫るが追い抜くには至らず。14号車ENEOSはポールポジションから2位に終わり、3位には17号車Astemoが続くかと思われたが、最終周のヘアピンで8号車ARTAとの同士討ちコンタクトがあり、バトルの隙に2台を抜いた39号車DENSOが3位表彰台を獲得した。


 8号車ARTAは4番手でチェッカーを受けたが、17号車Astemoへの接触ペナルティで40秒が加算され7位に降格。代わって100号車STANLEYが4位となり、37号車Deloitteはタイムペナルティが適用され5位、ニッサン勢は23号車MOTULの6位が最上位になっている。


 レースフィニッシュ後にはスタート時の雨が嘘のように晴れ渡った岡山国際サーキット。荒れ気味の展開とバトル満載の開幕戦が終わり、続く第2戦は5月3〜4日、ゴールデンウイークに富士スピードウェイで開催される『FUJI GT 3HOURS RACE』だ。



優勝を喜ぶ山下健太と坪井翔(au TOM’S GR Supra)/2025スーパーGT第1戦岡山

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