【2025スポニチ調査ファイル(2)】近大・勝田成 軽快守備に加え投手の癖見抜く洞察力
2025年4月15日(火)6時0分 スポーツニッポン
軽快な身のこなし、鮮やかなグラブさばき、素早い握り替え——。近大・勝田は、身長1メートル63の小兵選手ながら、二塁の守備位置に立てば誰にも負けない存在感を放つ。「アピールポイントは守備範囲の広さなど守備力。どの大学生にも負けない自信はあります」と堅守でドラフト戦線に割って入るつもりだ。
その名を全国区にしたのは昨夏だった。大学日本代表合宿を視察した侍ジャパンの井端監督から「凄く野球を分かっている」と絶賛された。その侍指揮官に、どうしても聞きたいことがあった。「身長が高くない選手が、どうすれば1軍で活躍できますか?」。侍指揮官も現役時代は小兵内野手。捕球時の脱力方法など屈強な選手の中で生き抜くすべを事細かく教えてくれた。
昨年から大学日本代表に選出された理由は、守備力だけではない。高い洞察力を認められ、堀井哲也監督に「投手の癖を見抜いてほしい」と頼まれた。その原点は中学時代にさかのぼる。指導者に「個の力で勝てるなら全員で練習する必要ないやん」と指導されてから、投手の癖を見抜くことにも、こだわってきた。「隙を突く走塁は代表でも一番できていたと思う」。この感性も長所の一つだ。
小3時、父から「遊び半分でやるならプロになられへんで」と叱られて以降、遊びの誘いも全て断って練習に費やしてきた。だから「遊び方は今でも分からない」。これまでも体格差は猛練習で埋めてきた。体つきも重要な指標となるドラフト戦線において、その評価を守備力で覆せることを示す一年にする。 (河合 洋介)
◇勝田 成(かつだ・なる)2003年(平15)6月21日生まれ、大阪府大阪市出身の21歳。2歳から都島タイガースで野球を始めて主に遊撃手。中学では大淀ボーイズに所属。関大北陽(大阪)では1年夏に背番号14でベンチ入りし、1年秋から背番号4。近大ではリーグ戦に1年秋から出場し、二塁部門でベストナイン4度受賞。3年夏には大学日本代表に選出。50メートル走6秒2、遠投110メートル。1メートル63、72キロ。右投げ左打ち。