気胸と骨折の治療進むマルティン、スペインGP欠場を発表。さらなる長期離脱やむなしか
2025年4月18日(金)15時51分 AUTOSPORT web

4月17日、ロードレース世界選手権 MotoGPクラスに参戦しているアプリリア・レーシングは、第4戦カタールGPの決勝レースで負傷したホルヘ・マルティンの状況を明かすとともに、第5戦スペインGPを欠場させることを発表した。代役はロレンツォ・サバドーリが務める。
マルティンは、2月5日のマレーシア公式テスト1日目の序盤での転倒で右手の第5中手骨頭の骨折と左足の第3、第4、第5中足骨を骨折。その手術後の同月24日には、開幕戦に間に合うようにトレーニングしていた最中に負傷し、左手の橈骨、舟状骨、三角骨、右の踵を骨折してしまった。翌25日に手術を受けた後は、第1戦タイGPから第3戦アメリカズGPまで開幕3戦を欠場して回復に専念し、その間はサバドーリが代役を務めていた。
そして、4月8日にチームから第4戦カタールGPでの復帰が発表された。その際にマルティンは、体力は100%ではないとしながらも「完走できれば“勝利”だ」とコメントを残しており、実際に同大会での予選は14番手、スプリントは16位という成績ではあったもののアプリリアRS-GP25を習熟していった。
しかし、日曜日の決勝レースにて、14周目の13コーナーで転倒してしまい、胸部を負傷。その後、搬送先のハマド総合病院で精密検査を受けた結果、複数の肋骨の骨折と肺に穴が開いて縮んでしまう気胸を起こしていることが判明した。なお、肋骨骨折は当初6個所との発表だったが、最終的に11個所に及んでいることが明らかとなった。
今回の発表によると、4月17日の時点でもマルティンは同病院の集中治療室(ICU)で肺の再膨張を促す胸部ドレナージ処置を続けられており、肺の回復が進み次第、スペインへ帰国が可能となる模様だ。また、肋骨の骨折による強い痛みが続いているものの、MotoGPメディカルディレクターのアンヘル・チャルテは、「痛みの管理は良好で、着実に回復は進んでいる」と語っている。
また、マルティンの状況とともに4月25〜27日にヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで開催される第5戦スペインGPへの欠場と、開幕3戦でも出走したサバドーリが代役を務めることが公表された。
この発表では、マルティンの治療および回復に必要な期間などに関して明示されていないものの、骨折だけでなく気胸も併発している状況でもあり、過去2回の負傷の時よりも長期の離脱となる可能性も考えられる。
マルティンは、「アプリリアやファン、助け、支えてくれたすべての方々に心から感謝している」と述べ、まだかなり痛みがあるものの少しずつ良くなってきているとし、「史上最強のひとりになるため、戦い続ける」と復帰への冷めぬ熱意を示した。