スタート前にアクシデントも水野涼が独走でポール・トゥ・ウイン/全日本ロードもてぎ2&4 JSB1000
2025年4月20日(日)18時10分 AUTOSPORT web

4月20日、2025年MFJ全日本ロード選手シリーズ 第1戦もてぎ2&4レースでJSB1000クラスの決勝が栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)が優勝を飾った。
夏日となった予選日から打って変わって、決勝日の朝は上空には雲が覆い気温も下がっている。ドライには変わりないが、風もなく、前日とは異なるコンディションに。決勝は予選とは違う勢力図になる可能性も感じられた。
しかし、午前中に行われたウォームアップ走行では、水野を先頭に数台が集団となり、決勝を見据えたシミュレーションも実施する珍しい場面も見られた。このセッションでは、水野が1分48秒151でトップタイムをマーク。2番手は1分48秒560の高橋巧(Honda HRC Test Team)、浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)が1分48秒576で3番手と予選どおりの並びとなった。トップの水野は2番手の高橋に対し0.4秒差と決勝日も好調。決勝でも優勝候補最有力といえる。
4月ながら厳しい暑さとなった予選では、水野が1分46秒807でポールポジションを獲得。2番手はスポット参戦ながら1分47秒200の高橋、今季からBMWのワークスマシンで参戦する浦本が1分47秒360で3番手に続いた。王者奪還を狙う中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)は1分47秒559で4番手だ。
12時30分からサイティングラップが行われ、各車コースイン。そんななか、ポールシッターの水野がコースインできない。クラッチに問題がありメインバイクが使えず、スペアバイクでのレースを強いられることになった。
28番グリッドの吉田愛乃助(TONE RT SYNCEDGE4413 BMW)はフリー走行での転倒もあり、決勝は欠場となっている。29番グリッドの須貝義行(TEAM SUGAI RACING JAPAN)もサイティングラップ後にピットイン。こちらは水野同様に無事グリッドに並ぶことができた。
12時55分、20周の決勝レースがスタート。ポールシッターの水野がホールショットを奪うも、5番グリッドスタートの長島が好スタートを決め2番手に浮上する。タイヤの熱入れの良さに定評のあるダンロップタイヤを履く長島は、続く3コーナーで水野をも捕らえトップに躍り出た。
しかし、水野はバックストレートで並びかけると、90度コーナーのブレーキングでトップを奪い返す。このまま逃げたい水野だったが、続く2周目の1コーナーでクリップにつけず長島が再びトップに浮上した。
混戦となったトップ集団は、野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)がV字コーナーで3位に上がるも、続くヘアピンで転倒。フロントからのスリップダウンを喫した野左根は、その後コースに戻るもピットインしリタイアとなった。
3周目、水野が5コーナーで長島を捕らえトップに浮上。翌周には中須賀も2番手に上がるも、水野のペースが良く、トップを狙うことが厳しくなってきた。そんな中須賀の背後には浦本が迫る。
1分47秒台を連発する圧倒的なアベレージを誇るトップの水野が独走状態となり、レースの注目は2番手争いに。中須賀と浦本の背後に、スタートでポジションを落とした高橋が追いついてきた。浦本が勢いそのままに中須賀に仕掛けていくかと思われたが、中須賀も安定したラップを刻み続け隙を与えない。
レースも折り返しを迎え、3台が等間隔で走行していた2番手争いだったが、4番手の高橋が徐々に遅れていく。その後方では5番手を走行していた長島にトラブルが発生。スロー走行を強いられた長島はピットに戻りリタイアとなってしまった。
中須賀と浦本の2台に絞られた2番手争いは、残り4周の5コーナーでアウトから仕掛けていくが、ここは中須賀が抑え2番手を死守。浦本は最後に仕掛けたいところだが、ミスも出始め決め手に欠ける状況だ。
一方、2番手に8秒差と圧倒的なギャップを築いた水野がファイナルラップに突入。スペアバイクにも関わらず圧倒的な速さをみせた水野がポール・トゥ・ウインで開幕戦を制した。
安定したラップタイムを刻み続け、最終盤にはタイムを上げ、浦本にポジションを譲らなかった中須賀が2位、浦本は2位に届かなかったが、それでもいきなり乗るBMW車両で3位表彰台を獲得してみせた。
4位は高橋、5位は名越哲平(SDG Team HARC-PRO.Honda)、6位には久しぶりのファクトリー体制として復帰したスズキを駆る津田拓也(Team SUZUKI CN Challenge)が入った。
ファイナルラップまで接近戦が続いた7番手争いは伊藤和輝(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)が制した。8位に岩田悟(Team ATJ)、9位に関口太郎(SANMEI Team TARO PLUSONE)、10位には児玉勇太(Team Kodama)が入っている。