【高校野球】静岡県秋春連覇へ、常葉大菊川がコールド発進 児玉一琉が逆転満塁弾 石岡諒哉監督「夏に向け、チームに変化が生まれる場にしたい」
2025年4月20日(日)6時30分 スポーツ報知
4回無死満塁、右越えに逆転満塁本塁打を放った常葉大菊川の児玉(手前左)
◆高校野球◇春季静岡県大会 ▽2回戦 常葉大菊川11−1沼津商=6回コールド(19日、掛川)
高校野球の春季静岡県大会が開幕し、1、2回戦計16試合が行われた。今センバツ後、初の公式戦に臨んだ常葉大菊川は、0—1の4回に児玉一琉右翼手(3年)の逆転満塁弾が飛び出すなど一挙8得点。甲子園から打順を変えて臨んだ打線が勢いに乗り、沼津商を11—1の6回コールド勝ちで下した。
常葉大菊川の児玉が流れを変える大仕事をやってのけた。1点を追う4回無死満塁、真ん中低めにきたスライダーをすくい上げた。打球は右翼スタンドへ一直線。高校通算14本目のアーチは逆転満塁弾となり、「久しぶりの会心の当たり。打った瞬間にいったなと思いました」と笑顔がはじけた。勢いづいた打線は、この回打者13人の猛攻で8得点を奪取、主導権を一気に握った。
児玉は掛川球場と好相性で、公式戦5本中、この日を含めて4本を同球場で記録。昨秋の県大会初戦(2回戦)でも静岡相手に2本塁打している。石岡諒哉監督(35)は「練習試合で一番、打っていなかった。あいつが一番びっくりしていると思う」と目を細めた。
3月のセンバツ初戦・聖光学院戦(3●4)は5打数無安打。それでも「ヒットは出なかったが、納得できる打席もあった」と振り返る。甲子園から帰郷後は更なる進化を目指し、左翼やセンターなど狙った方向に打球を飛ばすことを意識して練習に取り組んできた。本塁打は自身が思い描く打撃に近づいてきた証明だ。
指揮官は今大会を「夏に向け、チームに変化が生まれる場にしたい」と話す。競争を生み出すためにも、センバツからベンチメンバー20人のうち5人を入れ替え。全国舞台でミスが見えた走塁の徹底を図るとともに、打順も再編。高打率の選手を上位に固めていたが、甲子園で2番だった児玉を6番に下げるなど散らすことで攻撃力向上を図っている。
投手陣では、これまで技巧派左腕の大村昂輝(3年)の活躍が目立ったが、夏までに右腕の強化が必要不可欠。この日は、公式戦初先発となった山本虎輝、2番手の桶田澄明(いずれも3年)の右腕2人を起用した。県の秋春連覇を目指しながら成長し、春夏連続甲子園への土台を築き上げる。(伊藤 明日香)