広島・床田 切磋琢磨でつかんだ通算50勝 森下に続いた連日のメモリアル到達も「まだ始まったばかり」

2025年4月20日(日)5時0分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 広島3-0阪神(2025年4月19日 甲子園)

 広島・床田寛樹投手(30)が19日の阪神戦(甲子園)で今季2勝目を挙げ、前日18日の森下に続いて節目の50勝に到達した。多彩な変化球を駆使して内野ゴロの山を築き、7回を6安打無失点。連続イニング無失点も22に伸ばした。打線は2回、初見のデュプランティエ対策に組んだ矢野—羽月の1・2番コンビが連続適時打を放って3得点。零封リレーで逃げ切り、首位をがっちりキープだ。 

 6回2死満塁が最大のヤマ場だった。打席に5番・大山を迎え、カウント2—2から床田が決め球に選んだのは「ちょっと抜いた」宝刀ツーシーム。141キロを計測したそれは外角低めに決まり、結果的に遊ゴロとなってピンチを脱した。

 「点差もあったので抜くところは抜いてみようかな…と。ただスピードも出ていたし、もうちょっと思い切って抜いた方がいいかな…と思いました」

 得点圏に走者を置く場面で全力投球し、1—0で完封勝利を挙げた前回12日の巨人戦。その時に抱いた「ちょっと抜いたら、どうなんだろう」という探究心が、大山の投球の伏線となった。その時点でスコアは3—0。力みそうな点差でも、左腕は涼しい顔だった。

 「3点も取ってくれて。連打と一発さえなければ…という感じで投げていました」

 この余裕。カットボールやスライダーなど多彩な変化球を操り、投球に強弱をつけながら阪神打線にホームを踏ませなかった。7回までの21アウトのうち内野ゴロアウトは実に14個。6安打零封して今季2勝目を挙げ、前日18日の森下に続いて通算50勝に到達した。

 「アイツ、僕より3つも年下なんで、やっぱり凄いな…と。逆に僕が遅すぎるぐらい」

 床田は、そう言って笑った。17年に受けた左肘のトミー・ジョン手術を乗り越え、たどり着いた節目。森下が入団した当初「コイツと争っても無理。勝てない」だった心境は、昨年「アイツには負けられない。勝ちたい」に変わった。左の主戦としての自覚だった。

 「まだ始まったばかりなので。本当に(チームが)しんどい時に何とか僕たちで止めることができれば、一番いいかな…と」

 抜群の安定感。5日のDeNA戦の2回が起点の連続無失点は、これで22イニングに伸びた。阪神戦で前後して50勝に到達するのも何かの縁。床田は、公私で仲のいい森下と切磋琢磨(せっさたくま)して投手陣を、チームを力強くけん引する。(江尾 卓也)

スポーツニッポン

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