アジア杯連覇のなでしこ帰国 高倉監督「一歩前へ」と手応えも視線はW杯へ

2018年4月22日(日)20時56分 サッカーキング

アジアカップを手に、帰国後会見に出席した高倉監督

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 AFC女子アジアカップヨルダン2018で優勝し、大会連覇そして2019年のFIFA女子ワールドカップの出場権を獲得したなでしこジャパンが22日に帰国。成田空港で会見を行った。

 2016年4月からチームを率いる高倉麻子監督にとっては初のなでしこジャパンでのタイトル獲得となった。高倉監督は、「選手、スタッフ一同が心を一つに戦った結果だと思います。それぞれが所属するチームでの日ごろの努力の賜物だと強く感じています。今回のアジアカップに向けて、3つの目標を立てました。一つはW杯出場、もう一つは大会連覇。そして最後に、これが一番大事なことだと思いましたが、チームと選手が成長するという目標を立てました。最初の2つは結果の通り、達成しました。チームの成長について、私自身はチームが粘り強く戦えるようになったと思いますし、今までなでしこで活躍した選手と若手がチームとして一つになり、グラウンドで楽しく、粘り強い戦いができたということで、チームとして一歩前に進めたのかなと思います」と振り返った。

 一方で、「内容的には押し込まれるシーン、日本らしいサッカーができない時間が長くありました。自分たちが主導権を取りつつ、なでしこらしい粘り強い戦いをすることをW杯では皆さんにお見せしたいです。私たちはまだ道の途中にいると思っていますし、この結果に満足せず、選手とともに来年のW杯に向けて進んで行きたいと思っています」と、まだまだ成長段階にあることを強調する。



 今大会では川澄奈穂美を久々に招集するなど、これまでなでしこを支えた選手たちと若い力の融合を目指した。「上と下の年代の選手たちが仲良くやっているシーンを多く見ましたし、それだけでなく、サッカーの話で互いに意見をぶつけて、上の世代が押し付けたりせず、下の子をうまく引き出し、下の子も代表選手としての責任を果たそうということが、E−1(EAFF E-1 サッカー選手権)くらいから多く見られるようになりました。こちらからの要求だけでなく、自分たちで細かい修正をして、つめていっている姿が見えたので。ようやくチームとして覚悟を決めて、歩み出したのではないかと思います」と、チームの成長・成熟には手応えを感じたようだ。

 その川澄に対しても高倉監督は、「急な招集になったが、長崎合宿から違和感なく溶け込んでくれ、ホテルやグラウンドで明るく盛り上げてくれ、厳しい声もかけてくれました。今の代表での年上の選手たちも彼女が来て、少し安心したのではないかなと。プレー時間は長くありませんでしたが、チームにもたらした力は大きかったです」と評価している。

 来年のW杯に向け、選手たちは再びクラブで自身のプレーの真価を証明する必要がある。高倉監督は「いろいろな選手にチャンスを与えたい」と話すと、8月に開催されるU−20女子W杯後に、その年代の選手も試してみたいとの意向を示した。選手個々人については「うまくいかない時、その原因を外に向けず、自分自身に矢印を向けて、深くサッカー選手として向き合ってほしい」と伝えたことを明かし、「世界のサッカーはものすごくレベルアップしているので、ともかくプレーの強度と判断を上げないと、簡単に局面でつぶされてしまうことがある。それは単純にフィジカル的な要素もあると思いますし、状況判断のスピードを上げるということもあります。サッカーをもっと知って、サッカーと向かってほしいです」と、ピッチ内でのクオリティアップについても触れ、個々人の能力向上、若い世代の突き上げ、チームとしての成熟を求め、世界一に返り咲くことを目指していくことになる。

サッカーキング

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