西武は強くなったのか――森繁和氏が見た西口イズムの浸透 若手&新戦力台頭 投手陣も盤石
2025年4月22日(火)5時26分 スポーツニッポン
旬な話題に斬り込む企画「マイ・オピニオン」。今回のテーマは「西口西武は変わったのか」だ。昨年球団ワーストの91敗を喫しての最下位から、今季は2年ぶりの4連勝を飾るなど18試合を終えて9勝9敗の勝率5割で3位と健闘中。西口文也新監督(52)の下での戦いぶりを、本紙評論家で元投手コーチの森繁和氏(70)が分析した。
西口監督にはスポニチの新春対談と南郷キャンプでチーム構想をじっくり聞いた。実際、西口監督が語っていた通りの野球ができている。まずは抑えの平良。対談時に監督就任と同時に本人と話をして先発からの抑え再転向を決めたと話していたが、ベンチを預かる者として最後の1イニングを完全に任せられる投手がいるといないのでは雲泥の差。先発、中継ぎと駒がそろっており、後ろさえ固まれば勝利の方程式が出来上がる。
先発は強い。今井は軽く投げているようで球はえげつない。直球もスライダーも切れは抜群だし緩急を使ったり、フォームを工夫したり。5、6回でマウンドを降りる投手が多い中7、8回まで当たり前のように抑え切る。エースとして一段ステップアップしたと思う。持ち球のチェンジアップを有効に使っている隅田の安定感も増した。プロ4年目の菅井が2勝。防御率0.00。2軍監督として育ててきた西口監督は菅井のいい時も悪い時も分かっているから思い切って起用できる。はい上がってきた若手が勝ったり中継ぎで好投すると「オレも、オレも」とチームが活性化され、新戦力が台頭してくる。
打撃陣では新たに加わったネビン、セデーニョの外国人コンビが主軸となり、西口監督の肝いりで三塁にコンバートされた外崎がいい働きをしている。これに成長著しい1番・西川を加えた打線は西口監督が就任当初から描いていた通りの攻撃力を発揮している。
開幕直前、西口監督は寝坊で遅刻した佐藤龍世を3軍降格にした。日頃、温厚な西口監督にしては厳しい決断だと思ったが、チームに緊張感をもたらしたのは間違いない。
交流戦までは勝ったり負けたり5割でいい。交流戦を乗り切ればリーグ再開。その頃には他球団の故障者も戻ってくる。本当の戦いはそれからだ。