1回200万円で「さびた体をリセット」33歳・亀田和毅 超高額再生医療で3階級制覇「ほんま勝たなアカンのです」

2025年4月23日(水)5時0分 スポーツ報知

世界戦に向けて闘志を燃やす亀田(本人提供)

 5月から6月上旬にかけて日本人プロボクサーの世界戦が計7試合行われる。世界戦ラッシュの3人目で出番となるのが、5月24日のIBF世界フェザー級王座戦で3階級制覇を狙う亀田和毅(33)=TMK=だ。和毅が22日、スポーツ報知の単独取材に応じ“若返りの秘薬”を用いて「負ければ引退」の覚悟で挑む大一番に備えてきたと明かした。

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 肌つやの良さが好調ぶりをうかがわせた。快音響くミット打ちを終え、和毅は「前日計量が(状態)100%なら今は70%!」と汗をぬぐった。

 和毅の世界戦は5月24日。井上尚弥の米ラスベガスでの防衛戦を手始めに、5月は世界戦ラッシュに入る。初夏の世界戦リングを彩る日本人ボクサーの一人となる和毅も、「光栄ですね。僕も地元の大阪で悲願の3階級制覇を果たし、つなげたい」と腕をまくった。

 今年でプロ18年目の33歳。キャリアは5月の世界戦に臨む日本人選手8人の中で最多の46戦を数える。コロナ禍で試合が流れたり、敗戦や再起戦を経て、約6年ぶりにつかんだ世界戦の舞台だ。亀の足並みのごとく遠回りした3階級制覇挑戦への道のりで、「一番、苦労した」というのが戦うための肉体の維持という。

 加齢による衰えなどを発する肉体の不調もないそうで「元気はつらつ」。その一助になっているのが、和毅いわく「若返りの秘薬」という「幹細胞治療」。細胞の活性化を促進する再生医療の一つで、効果のほどは「さびてきた体がリセットされる感じ」。今回の大勝負を見越して、1年半前に最初の投与にトライ。効能維持の点滴が年に2〜3回は必要とのことでここまで計4回、受けたという。

 費用は超高額だ。和毅の場合は相場をはるかに超える「1回200万円」。治療費は自分で集めた約30社のスポンサーの支援で捻出。「たぶんフェラーリやランボルギーニとか、高級外車の1年間の維持費よりも金がかかる。ランボルギーニ・トモキですよ。だからこそほんま勝たなアカンのです」と切実な思いを語った。

 挑戦するIBF王者アンジェロ・レオ(米国)の攻略に、足を使ってポイントを取るスタイルに加え、積極的に前に出て倒しに行く練習も積んでいる。「体のメンテ、練習方法、いろんなことを試行錯誤し、6年かけてようやくたどりついた世界戦。こんなチャンスは二度とないし、自分の中では『次、負けたら終わり』というのがある」。亀田家最後のトリデが大花火を打ち上げる。(小河原 俊哉)

 ◆亀田 和毅(かめだ・ともき)1991年7月12日、大阪市西成区生まれ。33歳。08年デビュー。13年のWBOバンタム、18年のWBCスーパーバンタムで2階級制覇。長兄・興毅氏は3階級、次兄・大毅氏(ともに引退)は2階級制覇。トレーナーの父・史郎氏、妹の姫月は人気ユーチューバー。家族はメキシコ人のシルセ夫人、長男・望有くん、二男・有里くん。42勝(23KO)4敗、身長171センチの右ボクサーファイター。

 ◆幹細胞治療 体の修復や再生に重要な役割を果たすとされる幹細胞を使った再生医療の一つ。採取し培養した自分の幹細胞を体内に戻すことで回復を早める効果があり、美容にも用いられる。健康保険が適用されず費用は1回15〜20万円、より効果の高い治療では50〜100万円が相場。負傷した有名スポーツ選手の治療例では、大谷翔平の右肘、C・ロナウドの右太もも、ラファエル・ナダルの腰などが知られる。

 ○…5月は亀田家にとって特別な月になる。試合2日前の22日は、和毅のセコンドにつく父・史郎氏の還暦、27日は自身の長男・望有くんの5歳の誕生日だ。誕生後からベビータレントとして活躍してきた望有くんは20日に自分のユーチューブ・チャンネルで“歌手デビュー”。世界的歌手のマルーマの曲「ハワイ」をカバーした。和毅は「望有の歌で3階級制覇を祝福してもらえたら最高」と描いた。

スポーツ報知

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