J1鹿島 J元年93年開幕戦と同じカシマスタジアム、同じ名古屋相手に挑む最速600勝
2025年4月23日(水)6時15分 スポーツ報知
歴史ある鹿島を率いる鬼木達監督
サッカーJ1の鹿島は、Jクラブ最速となるJ1通算600勝達成に王手をかけ、25日の第12節で名古屋をホーム・カシマスタジアムに迎える。Jリーグ元年となる1993年の開幕戦で歴史的1勝目(5〇0)を挙げた相手との対戦へ、チームは22日、茨城・鹿嶋市内で調整。Jリーグ元年に選手として鹿島入りした鬼木達監督(51)が、Jクラブにとって“前人未到”の領域に達する600勝目を誓った。
Jクラブ初の600勝まで、あと1勝。相手は「あの時」と同じ、名古屋。場所も同じ、カシマスタジアム。鹿島にとって、舞台は整ったと言える状況だ。鬼木監督は「始まりは名古屋戦でしたし、いろいろな意味で巡り合わせというか。すごく重みのある試合だと思っています」と見据えた。
これまで599勝を積み重ねてきた鹿島の記念すべき1勝目は、Jリーグ元年の第1節名古屋戦だった。当時鹿島で高卒1年目だった19歳の“MF鬼木達”は、ジーコ氏のハットトリック、アルシンド氏の2得点による5—0の大勝を、スタンドから見届けた。
「Jリーグ元年で、どこが強いかも正直わからない中で『鹿島って強かったのか!』って驚きました。特にジーコさんのゴールは鮮明に焼き付いていますね」。入団時からともに練習してきた先輩選手たちのすごさを思い知らされ「すごいところに来ちゃったな」と衝撃を受けたという。
名古屋とはその後もしのぎを削り、これまでのJ1での対戦成績は鹿島の38勝6分け24敗。この38勝は、対戦相手別で最多となる。
勝利数「599」は、2位の横浜Mに50勝以上の差をつけるなど、J創設時の10クラブ「オリジナル10」の中でも、頭1つ抜けた数字だ。かねて記録系の数字を意識しない姿勢を貫く指揮官だが、1勝目を見届けた身として「600勝って、すごいことだなと思いますね」と思いをはせる。相手に不足なし。名古屋戦で、600勝目を決める。(岡島 智哉)
◆93年第1節・鹿島—名古屋(5〇0、カシマ) 鹿島の元ブラジル代表FWで、当時40歳のジーコの独壇場となった。前半25分に先制点を決め、その5分後に直接FKから追加点。後半8分にアルシンドのゴールをお膳立てすると、同18分には強烈なボレーシュートでJ初のハットトリックを記録した。アルシンドの追加点も生まれ、鹿島が5—0の大勝を収めた。鹿島は元日本代表DFの秋田豊、後に監督を務める石井正忠、名古屋は86年メキシコW杯得点王の元イングランド代表FWリネカーらが先発出場した。