阪神・小幡 “足攻”で魅せた!セーフティーバント&盗塁でかく乱 真の遊撃獲りへアピール

写真を拡大

　◇セ・リーグ　阪神4—2DeNA（2025年4月22日　横浜）

　小幡の武器は、遊撃から糸を引くような送球を投げる強肩だけではない。この夜は足で魅せた。

　「何とか（塁に）出たいという思いがあった。ピッチャー（のバウアーもバント処理）が得意ではないと思ってやりました」

　存在感を見せつけたのは2点リードで迎えた5回無死からの2打席目だった。1ボールから三塁線に絶妙のセーフティーバントを敢行。完璧に打球処理をした三塁・宮崎の守備を間一髪、上回りセーフをもぎ取って出塁した。背番号38は、これだけでは終わらない。

　「思い切っていけたことが、いい結果になった」

　なおも1死一塁の場面だ。近本への初球。バウアーの投球モーションを読み切ってスタートを切った。試合前時点で盗塁阻止率リーグトップだった捕手・山本から二盗を成功。これまでシーズンの自己最多は3盗塁だった若虎が今季は3日のDeNA戦に続く2盗塁目を決めた。直前の無死一塁では才木が犠打に失敗。その嫌なムードを好走塁で一掃した。

　「（守備位置が）深めに感じた。うまくスタートが切れました」

　さらに足が光った。なおもカウント1—1から近本が放った左前への浅い飛球に対する打球判断も迷わない。飛球が上がったとほぼ同時にスタートを切り、生還を果たした。

　遊撃のライバル木浪が19日の広島戦で3失策。翌20日の同戦からスタメンに名を連ねて適時打を放ち、この日は地味な活躍でも結果的に2点差で終わった試合展開を考えれば、“足攻”が勝利へつながった。高卒7年目の24歳。真の遊撃獲りへアピールを続ける。　（石崎　祥平）