【高校野球】白樺学園・冨沢悠斗が中学以来の投手復帰で再び甲子園目指す…目標は健大高崎の右腕・石垣元気との投げ合い
2025年4月24日(木)7時43分 スポーツ報知
中学以来の投手に挑戦する白樺学園・冨沢(カメラ・島山 知房)
昨夏の甲子園に出場した白樺学園・冨沢悠斗(3年)が、投手に“復帰”する。0—1で敗れた同大会1回戦の創成館(長崎)戦で5番・一塁でフル出場するなど高校入学後は野手に専念してきたが、志願して中学以来の投手に挑戦。エース奪取、そして、洞爺湖シニアでチームメートだった健大高崎(群馬)の最速158キロ右腕・石垣元気(3年)との投げ合いを目標に掲げた。
2年連続の甲子園出場に向け、白樺学園・冨沢が大きな決断を下した。「勝てなくて、個人的にも結果を出せなくて悔しかった。自分がピッチャーになることがチームのためになると思う。今年こそ勝って校歌を歌いたい」。昨年は野手、今年は投手での大舞台を夢見て意気込みを口にした。
夏の主力が多く残った昨秋は、十勝地区代表決定戦で帯広大谷に敗戦。優勝候補に挙げられていたが、全道に進むことすらできなかった。敗戦後、選手同士でミーティングを開いた際に投手挑戦を志願。秋は甲子園でも登板した左腕・神谷春空(はるく、3年)がエースナンバーを背負ったが、「神谷に頼り切っている部分があった。夏は神谷一人では勝ち上がっていけない」と、投手陣の戦力強化へ一肌脱いだ。
2年時からクリーンアップを任されるなど打力が持ち味だが、オフの練習は主に投手のメニューをこなしてきた。OBのオリックス・片山楽生投手のメニューを参考に体幹を鍛えたほか、食事の回数を1日7食にして昨秋から6キロ増の80キロに体重を増やし、土台をつくり上げてきた。制球力が武器だが、球速もすでに最速140キロをマーク。ブルペンで50〜60球を3日連続で投じるなど、中学以来の公式戦登板を見据えてスタミナも強化してきた。
中学時代はプロ注目右腕の石垣がエースで、冨沢が2番手。昨年末に地元で顔を合わせるなど、今でも頻繁に連絡を取り合う仲だ。投手挑戦も報告しており、「甲子園で投げ合いたいねって言ってくれた。石垣の活躍を見て、自分がもう一回ピッチャーをやりたくなったのもある。やるからには自分もエースで甲子園に行きたい」。両校のエースとして聖地で再会するために、勝負の夏に向けてさらなるレベルアップを図っていく。(島山 知房)
◆冨沢 悠斗(とみさわ・ゆうと)2008年1月11日、室蘭市出身。17歳。室蘭みなと小1年時に天沢リトルエースで野球を始める。室蘭西中では洞爺湖シニアでプレーした。白樺学園では1年春の地区予選で初めてベンチ入り。182センチ、80キロ。右投右打。家族は両親と姉。好きなプロ野球選手はソフトバンク・近藤健介。