中村俊輔氏も注目!バルサの「ハイライン戦術」 今季就任のフリック監督が導入、欧州CLで4強に
2025年4月24日(木)5時0分 スポーツニッポン
【月刊中村俊輔 4月号】横浜FCの中村俊輔コーチ(46)がサッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。4月号のテーマは欧州CLで6季ぶりの4強入りを果たしたバルセロナ。22年W杯でドイツ代表を率い日本代表とも対戦したハンジ・フリック新監督(60)の下、リーグ戦でも首位に立つスペインの名門を独自目線で分析した。 (取材・構成 垣内 一之)
俊輔氏も注目する欧州CLも佳境に入り、4強が出そろった。今大会の注目点を聞くと、真っ先に出てきたクラブ名が、メッシ退団後初の準決勝進出を決めた「バルセロナ」だった。
「バルサのハイライン。選手で言えば、(左FWの)ラフィーニャ。(右FW)ヤマルはサイドに張っているけど、彼は自由に動いている。それに伴う各選手の動きと、ハイラインに注目している」
バルセロナは今季からフリック監督が就任。このドイツ人指揮官が最大の武器として導入したのがディフェンスラインを通常よりも高く保つ「ハイライン戦術」だ。
「相手に攻め込まれているときは守備を固めるが、ハイラインを敷いているときは、相手にボールを奪われても、決して下がらない。ちょっとずつちょっとずつ(相手を)吸収して、“いつでもオフサイド取れるよ”みたいな、駆け引きをしながらディフェンスしている」
ではハイライン戦術のメリットは?「相手に素早い判断を強いることができること。“背後が空いた!”とただ単に裏にパスを出したらオフサイドになるし、全体がコンパクトになるから、相手の前線の選手を高い位置ではめられる。また、この守り方をすると慌ててミスを起こしやすい。研究はされているが、バルサが主導する守備に各チームが苦労している印象」
もちろん、選手個々の高い技術があってこそだが、俊輔氏は18年W杯から導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の存在も大きいと指摘する。
「あとはVARがあるのも大きいと思う。オフサイドの際どい判定は、正しくジャッジされる時代になったから」
そんなバルサで注目している選手は、ブラジル代表FWラフィーニャ。「常にいい動きをしている。自由に動いているけど、背後を狙う動きは決して怠らない。ヤマルとレバンドフスキは位置が固定された感じで、ラフィーニャはその中で一人、いろんなところに顔を出して、ペドリら中盤の選手を凄く助けている。だから攻撃がパターン化しない。相手はラフィーニャをマークしにくるけど、そうなると、今度は間で受けたガビとかペドリとか、ヤマルが空いてくる」
俊輔氏も期待する新生バルサは果たして14〜15年シーズン以来の欧州制覇なるか、注目だ。