【高校野球】21年限りで廃部となっていた森が4年ぶり復活 元オリックスの吉田雄人監督が就任 八雲との連合チームで8年ぶりの公式戦
2025年4月25日(金)6時30分 スポーツ報知
4年ぶりに野球部が復活した森の吉田雄人監督(中央)と選手たち
2021年限りで廃部となっていた森が、今春4年ぶりに復活した。2017年夏を最後に公式戦出場から遠ざかっていたが、北照OBで元オリックスの吉田雄人監督(30)が就任し、1年生4人が入部。3年後の甲子園優勝を目指す“四銃士”が八雲との連合チームで函館オーシャンスタジアムの土を踏む。
アマチュア、プロで経験を積んできた熱血監督とともに森が再出発した。高校時代は甲子園に3度出場し、U18日本代表入り。18年までオリックスでプレーした吉田監督は「甲子園出場、甲子園で勝つことが目標。ゼロから始まった野球部だからこそ得られる経験を生徒に与えてあげたい」と意気込みを口にした。
人口約1万3000人、道南の森町にある公立校で、過去には1965年南北海道大会で4強入りしている。3季通じて8度の道大会(夏は南大会)出場実績があるが、年々部員が減少し、単独は16年夏、連合は17年夏が最後の公式戦出場となっていた。
21年限りで廃部になっていたが、同町出身の指揮官が野球部復活に向けて立ち上がった。地域おこし協力隊として、昨年7月に故郷に移住。地元関係者らの協力を得ながら、雑草だらけで荒れ果てたグラウンドの整備から準備を進めてきた。
体験会も積極的に実施し、4人が入部した。「いろんな方の協力があって、4名という人数が集まった。最低限のスタートラインには立てた」と吉田監督。札幌出身の三上陽斗、上出蒼空に、中学軟式のクラブチーム函館BBCで全国優勝経験がある管井裕哉、名門余市シニアで正捕手を務めた渡部大河という実績ある選手も「新生・森」の一員となった。
当初の目標だった単独出場はかなわなかったものの、八雲との連合チームで8年ぶりに公式戦の舞台に立つ。渡部は「個人がレベルを上げて、3年目には甲子園で優勝を目指したい」。初戦は全道10地区のオープニングゲームとなる5日の函館中部戦。道内高校野球の“球春到来”を告げる開幕試合から、野球部の新たな歴史が再び動き出す。(島山 知房)