「侍ジャパン」落選続きの菊池雄星がWBC シーズンに無双する理由

2023年4月28日(金)16時8分 ココカラネクスト

無傷の4連勝と絶好調の菊池は、今季どこまで成績を伸ばせるだろうか(C)Getty Images

 実力があっても、代表クラスに縁がない選手はいる。菊池雄星もその1人だろう。

 侍ジャパンが世界の頂点に立った3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には選出されなかった。昨季、所属のブルージェイズで6勝7敗、防御率5・19と安定感を欠き、それまでのメジャー4年間でも結果を残せていない。代表メンバー落選は必然だった。

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 菊池にとってWBCはあこがれの夢舞台。2006年の第1回大会優勝をテレビ観戦して感激し、岩手・花巻東高校時代の目標ノートには「23歳でWBC出場」と書いた。WBCがあった年は、節目となることが多い。日本が連覇を果たした第2回大会の2009年は、ドラフト会議で6球団に1位指名され、西武に入団。第3回大会の2013年は当時の自己最多9勝(3完封)をマークし、ブレークのきっかけをつかんだ。

 最大の出場チャンスだったのは2017年の第4回大会。前年初めて2ケタ勝利をマークして代表入りを熱望したが、吉報は届かなかった。菊池は「左投手がいない。だけど呼ばれなかった。信頼されていない証拠」と悔しさをぶつけたその年に16勝し、最多勝を獲得。日本を代表する左腕へと成長した。

 大きな夢の1つだったメジャーに2019年から挑戦。第5回WBCを翌年に控えた昨年8月には「必要とされるくらいの成績をしっかり残せるように」と代表メンバー選出への強い思いを口にしていた。またしても手が届かなかったWBCで、高校後輩の大谷翔平がMVPで世界一に輝いた姿を、どんな思いで見つめていたことだろう。

 迎えた今シーズン、菊池は目の色が違う。現地4月26日(日本時間27日)ホワイトソックス戦に先発し、5回2/3を投げ、4安打無失点8奪三振の力投。開幕から無傷の4勝を挙げた。防御率3・00と好調で、27イニング6四球と課題の制球力が格段に向上した。もともと器用なタイプでなく、環境に慣れるまで時間がかかるスロースターター。メジャー流にヒゲも蓄え、覚醒の予感を漂わせる。WBCが行われた年の菊池は、総じてモチベーションが高い。

 「夢が人生を決める」。この言葉を胸に、菊池は前に進み続けてきた。次回WBCは2026年。誰にも文句を言わせない成績を残し、今度こその侍ジャパン入りへ。夢への挑戦が、3年後、34歳になる左腕をかきたてているに違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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