計量直前に水分補給→2.3キロ超過、ネリは「そもそも落とす気なかった」 元世界王者・山中慎介氏が明かした舞台裏

2025年4月28日(月)16時57分 J-CASTニュース

プロボクシングの元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏(42)が2025年4月27日に公開されたユーチューブ動画「竹原テレビ」に出演し、元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との対戦を振り返った。

「2.3キロオーバーというのは、まずありえない」

山中氏は現役時代の17年8月と18年3月の2度にわたり、世界タイトル戦でネリと対戦し、いずれもTKO負けを喫した。

初戦は、山中氏が王者としてネリの挑戦を受け、4回TKO負け。ネリが初めて世界王座を獲得したが、試合後にドーピング疑惑が浮上した。結局、統括団体のWBCが、禁止薬物を摂取した確証が得られなかったとし、ネリを処分しなかった。

7か月後の再戦では、ネリが前日計量で体重超過の大失態を犯し、王座をはく奪された。

1度目の計量でクリアした山中氏に対し、ネリはリミットを2.3キロオーバー。2時間の猶予が与えられ、再び計量に臨むもリミットを1.3キロオーバーし、この時点で王座をはく奪された。

試合は山中氏が勝てば王座獲得、ネリが勝つか引き分けで王座が空位となる変則的な条件で行われ、山中氏が2回TKO負けした。

王座返り咲きに失敗した山中氏は、この試合を最後に現役引退した。

山中氏はネリの体重超過に関して、「2.3キロオーバーというのは、まずありえない。計量の30分くらい前に、外のホテルの自動販売機で水を買って飲んでいたらしいんですよ。それを僕のトレーナーが目撃しました。『(トレーナーは)計量前にそれは言えなかった』と言っていました」と、当時の舞台裏を明かした。

「近くでネリの顔を見たくはなかったけども...」

そして、「(体重を)そもそも落とす気がないですよね」と指摘し、「計量前に水を飲んで。それより(計量クリア)も、勝ちを優先させるんでしょうね。日本では考えられないですよね」と、一連のネリの行動に首をひねった。

このような因縁のあるネリと24年3月に再会し、謝罪の言葉を受けたという。

ネリはスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)と25年5月6日に東京ドームで対戦し、6回TKO負けを喫した。

この試合に先立って東京で行われた3月の会見で、山中氏とネリは6年ぶりの再会を果たした。

山中氏は「まさか(最後の試合から)数年後にネリが日本に来て、東京ドームで試合をするなんて、あの時は思いもしなかったですね。(会見には)正直、行きたくはなかった。近くで顔を見たくはなかったけども、誘われたので。結局、ネリと再会し、握手をしたときに報道陣がいっぱいに」と苦笑いを浮かべて当時を振り返った。

山中氏は現役引退後、ボクシングの解説者としてテレビなどで活躍している。一方のネリは、現在も現役でリングに上がっており、直近では25年2月に亀田京之介(TMK、26)と対戦し、7回TKO勝利を飾っている。

J-CASTニュース

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