阪神・嶋村 周囲の支え力に大きな一歩 デビュー戦が故郷で古巣相手の“奇跡”に感謝
2025年4月29日(火)5時15分 スポーツニッポン
【2軍リポート 大物から大物へ。若トラ駆ケル】
兵庫県尼崎市に開業した新ファーム施設から、1軍を目指す若虎へスポットを当てる新企画「2軍リポート 大物(だいもつ)から大物(おおもの)へ。若トラ駆ケル」がスタート。3、4月度は、故障を乗り越えた4年目・伊藤稜投手(25)とルーキー・嶋村麟士朗捕手(21)の両育成選手を取り上げる。
野球の神様は、嶋村にとっておきのデビュー戦を用意した。16日、高知での四国・高知戦。故郷で古巣が相手という“奇跡”に恵まれ、感謝を胸に先発マスクをかぶった。
「本当にたまたま。メンタルを揺さぶられることもなく、いつも通りにプレーできた」
3打数無安打でも、具志川キャンプで痛めた右膝の快癒がうれしかった。約2カ月にわたる故障離脱は野球人生で初。「オレ、大丈夫かな。何してんのかな、今」と沈んだことは一度や二度ではない。晴れ舞台への渇望が、21歳を奮起させた。
リハビリ中には、トレーナーとともに下半身の使い方やバランスを見直した。22日オリックス戦ではプロ初安打。高知商出身で、藤川監督の後輩にあたる背番号128が、周囲の支えを力に大きな一歩を踏み出した。
◇嶋村 麟士朗(しまむら・りんしろう)2003年(平15)7月13日生まれ、高知県出身の21歳。高知商、福井工大(中退)を経て四国・高知から24年育成ドラフト2位で阪神入り。1メートル77、90キロ。右投げ左打ち。