巨人・秋広優人1軍合流で阿部監督”最後の審判“「ここを逃したらもうないだろうって思ってほしい」
2025年5月3日(土)5時0分 スポーツ報知
打撃練習をする秋広優人(球団提供)
巨人の秋広優人内野手(22)が2日、今季初めて1軍に合流した。DeNA戦(横浜)は今季初の雨天中止となったが室内での練習に参加。阿部慎之助監督(46)から「ここを逃したらもうないだろうって思ってほしい」とハッパをかけられた期待の背番号55。1軍定着を目指す5年目がチャンスを生かし、4連勝中のチームにさらなる勢いをもたらしていく。
秋広は引き締まった表情で覚悟を口にした。今季初の1軍合流。巡ってきたこの好機を逃すわけにはいかない。DeNA戦が雨天中止となり、室内練習場でバットを振り込んだ背番号55は「やれることを精いっぱいやるだけです」と声を大にした。
2軍で結果を残しての昇格ではない。だからこそ、阿部監督は秋広にハッパをかけた。「ここを逃したらもうないだろうって思ってほしいよね。それぐらいで頑張ってもらいたいよね」。厳しいがチャンスが到来していることは間違いない。指揮官の愛のこもったゲキに一発回答したいところだ。
現状、外野の軸を担うことを想定されていた丸が右足のけがで開幕前に離脱し、ヘルナンデスも攻守で精彩を欠きファームで調整中。キャベッジと若林が奮闘している中で、残りの1枠は若手を中心に出場機会を与えられてきたが、生かしきれていない。また、一塁も増田陸、大城卓らが日替わりで務めている。左翼と一塁を主戦場にする秋広にとっては千載一遇の好機。主力が戻ってくるまでの少ない時間で結果を残し、生存競争を勝ち抜いていくしかない。
もどかしい時間を過ごしてきた。5年目の今季は春季キャンプを1軍で完走したが、オープン戦では打率2割6分1厘、0本塁打とアピールしきれずに開幕直前に2軍へ降格した。イースタン・リーグでは25試合に出場して、打率1割5分7厘、2本塁打、5打点。満足のいく数字こそ残せていないが、2軍降格時に阿部監督から与えられた逆方向への飛距離という宿題も意識しながら必死の思いで試行錯誤してきた。「良くて(1軍に)上げてもらったわけじゃない。練習ではいろいろ試しながらやってきたので、それを1軍でも発揮できればと思ってます」。募らせてきた悔しさをバットに込めて暴れる。
チームは現在、4連勝中。勢いに乗っているこのタイミングでフレッシュな力が躍動すれば、これ以上ない強力な追い風になる。思い返せば2割7分3厘、10本塁打、41打点とブレイクした23年シーズンは4月18日に1軍初昇格し、一気にレギュラーを奪取していった。その再現を狙いたい。「バッティングが一番だと思う。足と守備があるわけでもないので、バッティングで貢献できるように頑張りたい」と誓った秋広。巻き返す時が来た。(宮内 孝太)