駒田徳広3軍監督、1軍電撃昇格・浅野翔吾の復活軌跡明かす…変えたのは左足上げ方「地面の力をもらって打つ」
2025年5月9日(金)5時50分 スポーツ報知
昨年のすり足から構えを変えた浅野
巨人3軍が、5日に第67回JABA選抜新潟大会で連覇を果たした。就任4年目の駒田徳広3軍監督(62)が同大会での戦いを総括。また7日に1軍に電撃昇格した浅野翔吾外野手(20)に対して、4月下旬の3軍降格時に助言した、すり足から左足を上げる打法への変更など、どん底からの復調に導いた過程を明かした。
*****
新潟大会では、初戦の日立製作所戦からの5試合で選手の成長を感じました。高卒野手は社会人と戦うと、幼稚な部分が出て簡単に抑えられてしまうことがありますが、ボールへの食らいつき方、捉え方が非常に良かった。初戦に先発した園田は、大会関係者から「いい投手がいますね」との声をいただき、鼻が高かったです。去年以上に価値のある優勝だと思っています。
4月25日から11日間、浅野が3軍でプレーしました。2軍での姿を見て、チーム打撃などへの意識が先走って自分らしさを失い、プレーのスケールが小さくなっていたのかな、と感じていました。“らしさ”を取り戻すために、まずは本来の打撃ができるようにさせたいと考え、初めに彼の周りには思い切ってバットを振れる空気感を作ることを重視しました。
最初に伝えたのは「足を上げて、地面の力をもらって打つ」ということです。「うまくやらなきゃ」という意識が大きくなると、自分の打撃を小さくしていき「体重移動がうまくいかず、力を伝えられない」状況が起こります。そして、あるラインを越えると全く打てなくなります。並進運動を使って球を捉える意識を思い出してもらうため、打撃コーチとラボ(研究室)にも入ってもらいました。
浅野も我々が感じていたことを理解してくれました。フリー打撃での打球速度や飛距離が変わり、本人も「これだ」と思ってやってくれたと思います。もう一度感覚をよみがえらせる過程はうまくいったのかな、と感じています。
今は選手の入れ替えも激しくなっています。それは1、2、3軍をフル活用して選手を育成する空気が醸成されてきた証しでもあり、私たちもやりがいを感じています。浅野が2軍昇格する際には「頑張ってね」と送り出しました。これからどういう選手になっていくんだろう…と、楽しみな気持ちで見守っていきたいです。(巨人3軍監督・駒田 徳広)