日本球界でも“魚雷バット”導入に、球界OBが注文「まずは自身のスキルを…」
2025年5月10日(土)6時20分 ココカラネクスト

魚雷バットは日本球界でも徐々に広がりを見せている(C)Getty Images
今季の野球界で話題となっている魚雷バット。
バットの先端が細く、グリップに近い部分でボールを捉えるように設計されたバットで、昨季までヤンキースの主任アナリストを務めていたアーロン・リーンハート氏が考案したもの。
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通常のバットよりも芯に近い部分でボールをとらえやすくなることから、より強い打球を放てると、日本でも使用する選手が出てきた。
メジャーリーグでは、ヤンキースが開幕3試合で15本塁打と驚異的な記録を打ち立て、その要因に魚雷バットを使用した選手がホームランを放ったことで、大きな話題をよんだ。
現行のルール上でも同バットを使用することは禁じられておらず、日本球界でも4月から使用可能となっている。すでに阪神主軸の大山悠輔や日本ハム、清宮幸太郎が今月6日のオリックス戦で魚雷バットを使用して、ホームランを放つなど複数の選手が試合で実際に使用し始めている。
「投高打低」といわれる近年のプロ野球界にとって、この魚雷バット導入により風向きが変わることも期待されている。
また、打者にとって追い風が吹いているようにも思えるが、スポーツアンカー・田中大貴氏のYouTubeチャンネル「アスリートチャンネル」に出演した、名球会入りも果たしている小笠原道大氏は、魚雷バットに関して「重心が身体の近くにあると扱いやすくなる」「ヘッドも抜けやすくなる、つまりヘッドが走ることで飛ぶんですよ」とメリットについて言及。
一方で昨年、規定打席に到達し、シーズン打率3割を超えたのは、両リーグ合わせてわずか3名だったことを受け、小笠原氏も「個人的な見解」としながら、昔に比べ打者の技術が落ちてきていると感じると指摘。
そのうえで、技術の進歩により道具が進化している現状は認めながらも、選手の立場からは「道具に頼る前にまずは自身のスキルをあげてほしいなと思う」と自助努力も大事にしてほしいと語った。
流通はしてきているものの、魚雷バットの量産体制はまだ先になると予想されている。果たして、この導入が「投高打低」の野球界にどのような影響を及ぼすのか。今後も注目を集めていきそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]