ド軍の15年提示拒否の“新事実” 代理人が証言した大谷翔平の美学「15年後に『こいつは誰?』と思われたくなかった」

2025年5月10日(土)5時40分 ココカラネクスト

いまや球界のみならず、スポーツ界でも名の知れた存在となった大谷。(C)Getty Images

 世界一の選手になる——。大谷翔平(ドジャース)は高校時代から強い信念を持ち、球界の歴史を紡いできた。だからこそ、お茶の間を震撼させたメガディールには、トップアスリートとしての“美学”があった。

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 現地時間5月8日、大谷の代理人を務める米大手事務所『CAA』のネズ・バレロ氏は、日刊紙『Los Angeles Times』の特集記事内で、23年12月にドジャースと締結した10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)という天文学的規模の契約に至った舞台裏を明かした。

 世間が騒然となった。なにせ総額7億ドルは当時のスポーツ史上最高額とされる規模。加えて、契約期間中は年俸を200万ドル(約2億9000万円)とする異例の後払いも波紋を呼んだ。

 交渉は蜜月の関係にあったエンゼルスとの話し合いから始まった。もっとも、大谷本人、そしてバレロ氏をはじめとするマネージメントチームに7年のキャリアを歩んだ球団との再契約の可能性は小さかった。

 当時の状況について「メジャーに移籍した当時はエンゼルスが彼(大谷)にとって適切なホームだった」と説くバレロ氏は、「ただ、我々はFAになる権利を行使するつもりだった」と強調。その上で98%後払い方式の意向を打診したものの、エンゼルス側が求めを拒否したという。

 熟考を重ねていく中でドジャースは「理解をし、ビジョンを持っていた」。そして、常勝軍団の持っていた構想は、大谷の美学と合致した。

 バレロ氏は、複数球団と続けた交渉の舞台裏を明かしている。

「彼は自身の周辺のマーケティングが非常にうまくいっていることをしっかりと理解していた。彼は契約がお金のためではないことも知っていた。だから、契約規模よりも、彼を高く評価し、理解し、二刀流選手として成長することを許してくれるチームと一緒になることの方が重要だったんだ」

 交渉においてドジャースからは最大15年の契約も提示された。しかし、「常に挑戦したい」と求めた大谷は首を縦に振らなかった。バレロ氏はそのワケを論じてもいる。

「彼は物語のようなキャリアの終わりに勢いを失いたいと考えていなかった。13年、14年、15年と時間が経つ中で、『おい、こいつは誰だ? 一塁までも走れないじゃないか』って思われたくなかった」

 誰もがやってこなかった二刀流で常にベストを尽くす。投打におけるハイパフォーマンスもさることながら、揺るぎないプロフェッショナルな姿勢こそ大谷が業界内で評価を高める理由と言えよう。

 ともかく「世紀の契約」における偉才の考え方を明らかにしたバレロ氏の証言は興味深いものであった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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