掛布雅之氏 阪神・佐藤輝を絶賛「今のリズムで野球を続ければ2冠王が見えてくる」「上体の力を抜いて状況に応じた4番の打撃」
2025年5月11日(日)5時0分 スポーツ報知
6回2死三塁、佐藤輝明が左適時二塁打を放ち、ベンチを指差す(カメラ・朝田 秀司)
◆JERAセ・リーグ 阪神2ー0中日(10日・甲子園)
阪神は佐藤輝明内野手(26)が1点リードの6回2死三塁、左中間への適時二塁打で貴重な追加点を挙げた。阪神OB会長の掛布雅之氏(70)=スポーツ報知評論家=は「勝負を決める4番の一打」と絶賛。本塁打と打点の2冠と好調の要因を「上体の脱力」と「三塁の守備力の向上」と分析した。
佐藤輝の6回の適時二塁打は、これぞ4番の一打だった。1—0の2死三塁、フルカウントから高橋宏の外角ストレートを強振せず、コンパクトに左中間にはじき返した。村上の投球内容を考えると、勝負を決める2点目となった。
状況に応じた軽打ができるようになったのは、考え方の変化だけでなく、上体の力を抜く技術も身につけたからだ。脱力の方法は人によって違う。私の場合は足の裏を意識することだったり、呼吸法だった。佐藤輝の場合は打席でのしぐさを見ると、重心を下げることを意識しているのが分かる。力まずに振るコツをつかんだのだろう。
中日バッテリーがフルカウントから外角ストレートを選択したのも興味深い。内角高めのストレートと、落ちる変化球のワンパターンの配球が通じなくなっている。5番・大山の存在感もストライクで勝負させる一因だが、相手の配球にも佐藤輝の成長を感じる。
そして忘れてはならないのが三塁守備の上達。昨季までのように守備のミスから打撃が崩れることがなくなってきた。今のリズムで野球を続けていれば、本塁打と打点の2冠王が見えてくる。(掛布 雅之)